神様ロリと紳士ロリコン

冬雪樹

ロリを助け、ロリに導かれる

 人生がつまらない。と、オレは毎日のように思っている。

 特にやりたいことがないまま就活をやり、家から近い場所や給料がそれなりに良さそうな会社に面接をいくつか受け、卒業後に採用された会社に入社。


 正直に言えば、仕事したくなかったし、よし今日から社会人だ! 頑張るぞ! なんて気持ちは一切なかった。

 そんなオレにも、一応趣味というか好きなモノがある。それは――ロリだ。そう、オレは自分で言うのもなんだが、ロリコンなのだ。

 ロリコンと言っても、別にロリっ子に触りたいとか、イタズラしたいとかそういう悪感情はない。


 ただただ、純粋で穢がなく、毎日公園でや友達と楽しそうに遊ぶ姿に癒やされているというだけの話だ。

 まあ、よく言えば観察、悪く言えば視姦とも言えなくないが。


 もっともっと正直に言えば、ロリっ子に優しくされたい、甘やかされたい願望はあるが。

 しかし、そんなことを言っても、望んでも、一生叶うことのない夢だ。

 下手にロリっ子に近付けば、通報され、社会的に死ぬことになりかねい。


 だから、オレは、こうして休日の昼間からサングラスして、公園のベンチに座りながら、無邪気に遊ぶロリっ子を眺めることしかできない。


 オレもあの輪の中に混ざりたいなと、ぼぉーと眺めていると、ボール遊びしていたロリっ子が、誤って遠くまで投げてしまい、もう一人のロリっ子がそれを取りに行った。


 子供は無邪気で純粋であるが故に、危機察知能力がまだ発達しきれてない。

 どういうことかと言うと、ボールは道路まで転がってもしまい、それを取りに道路に出る。しかし、そこに車が迫って来ている。

 よく聞く言葉だが、車は急には止まれない。


 運転手は走っている最中にも関わらず、ナビを弄っており、飛び出してきたロリっ子に気付いていない。

 しかし、今更気付いてブレーキを掛けても、ギリギリ衝突する。


 気付けばオレは走り出していた。

 まだ幼く、オレと違ってこれから明るい人生を送るかも知れない、そんなロリっ子を救わなければとオレはメロスのように走る。


「ロリぃぃぃぃぃいいいいい!!!!」


 オレにはヒーローのように、一瞬でロリっ子を抱えて走り出す力も無ければ、車を止める力もない。オレにできることは、精々ロリっ子を抱え込み、少しでも車の衝突をオレに向けさせ、ロリっ子に少なくすることだ。


 そして、オレとロリっ子は事故に遭った。


 気付いたら、オレは畳の上で寝ていた。

 あれは全て夢だったのだろうか? いやでも、確かにロリっ子を抱えた感触はあった。車に衝突された衝撃もあった。

 頭が混乱している。


「目覚めたかのう」


 声がした。年老いたような口調なのに、声は若い。というか、ロリっぽい声。

 そうか、オレはまだ夢を見ているのかと、目を瞑ろうとしたら、額にペチッと小さくてスベスベのもので叩かれた。


 目を開けると、目の前に白い光景が広がっていた。

 その左右から細くスベスベの太ももが伸びていた。というか、その白い光景はパンツだった。


「のう、お主、別に我のパンツを見るのはいいが、話しをしたいからもうちょい視界を上に向けてくれんかのう」


 言われた通りにもうちょっと上を見ると、可愛いロリと目が合った。

 白い髪に、青い目、小さな口、真ん丸な顔立ちをし、巫女服を着たロリっ子がそこにはいた。


「おはようなのじゃ」

「おは……よう?」

「うむ。きっと、まだ頭が混乱しておるじゃろうし、色々説明してやろう」

「あ、はい」


 オレは、巫女ロリから詳しい話しを聞いた。

 どうやら、オレは死んでしまったらしい。即死ではなかったが、頭に強い衝撃を受け、血も止まることなく出続け、救急車がやって来、病院に着く頃にはもう助からない状態だった。

 医者は、色々手を尽くしてくれたようだが、オレの身体はそれに答えてくれず、死亡。


 全身全霊を掛けてもらったロリも怪我をしたようだが、命に別状はなかった。オレが衝撃を和らげるクッションになったようだ。


「そっか、よかった。あの子は助かったのか」

「うむ、お主の勇気ある行動のお陰で、未来ある幼い命が一つ救われた」

「オレでも人の未来を救えるものなんだな」

「オレでも、なんて言うんじゃない。お主は立派じゃ。自分の命を犠牲にしてまで、人を助けるなんて、そうそうできるものじゃない」


 なんだろう、心が晴れていくような感じがする。

 このロリっ子は、お世辞でも建前でもなく、心の底から本音で言ってくれていると感じる。


 素直に、自分を誇りに思っていいのだと、感じさせてくれる。


「ありがとう、ロリっ子」

「うむ。でじゃ、そんなお主に一つ褒美をやろうと思う」

「褒美?」

「そうじゃ。我は、見ての通りロリの神様でな、ロリを助けた者に褒美を与えているのじゃ」

「やっぱり、神様なんですね」

「我に敬語けーごいらんぞ、いらぬ。ロリと話すように、普通に喋ればよい」

「そうで……そっか、わかった」

「うむ。で、お主は見た感じ、ロリコンのようじゃな」

「……ごめんなさい」

「ぬ? 別に謝ることはないぞ? 別にロリコンが悪いとは、我は思っておらぬ。世界には、良いロリコン、悪いロリコンがいるが、お主は良いロリコンじゃ」

「そうかな」


 手を出せない臆病なロリコンだけの気もするが。

 実際には、ロリ系のエロ漫画を読んだり、エロゲーをしたりするのだが。

 それでも、流石に二次元と三次元リアルの区別はついているから、そう言う点では常識ある良いロリコンなのかも知れない。


「だからのう、お主には遠慮なく、ロリに甘えられる世界に招待したやろうと思っておる」

「ロリに甘えられる世界!?」

「そうじゃ。我が管理する、紳士ロリコンしか入ることが許されないロリっ子の世界――通称『ロリ界』じゃ」


 そ、そんな夢みたいな世界が実現したのか。

 素直にロリっ子に甘えていいのか。いや、待て、ロリとは国に厳重に守られている存在。

 きっと、甘えられる代わりに何か対価を支払わなければいけないのかも知れない。


「対価は」

「対価?」

「何か対価を支払って、ロリに甘えられるってことだろ?」

「お主は何を言っておるんじゃ? 別に対価なんぞいらんぞ。子供が大人に甘えるように、大人が幼女ロリに好きなだけ甘えればよい」

「す、好きなだけ!? そ、そんなこと許されるのか!? 相手は厳重に法によって守られるロリだぞ!?」

「ふっふっふ、合法ごーほーじゃ」

「合法? まさか、ロリというのは、ただ背が小さくて童顔のために、ロリ役をしている偽幼女ニセロリか!!」

「正真正銘、本物幼女リアルロリじゃ」

「それなら、おかしいじゃないか! 普通、無関係の大人がロリに話し掛けるだけでも、不審者扱いされるのに、何の対価も無く、好きなだけロリに甘えられらなんて」

神様われが見極め、認めた相手だからじゃ」


 そうか。オレは、神様に認められた、安心安全紳士のロリコンってわけか。

 ロリに不純な気持ちは一切なく、何があろうとロリを泣かすことも、嫌がることもしない。

 だから、ロリに好きなだけ甘えることを許されるのか。


 悪感情を持ったロリコンが、ロリしかいいない世界に行けば、そこはロリ天国でロリハーレムだ。

 イタズラ仕放題だし、どんどん欲求を爆発させ、真っ白な存在で無ければいけないロリを真っ黒に染め上げることになる。

 だから、そこに神様による選別が行われる。良いロリコン、悪いロリコンを見極め、ロリに害を与えない者をこうしてロリ界に送る。


 そうか、そういうことだったのか。

 あの事故は神によるテストだったんだ。既にオレは試されていたのか。

 道路に飛び出すロリ、迫る魔の手。あの状況で、ロリコンであるオレがどういう行動をするかによって、善悪を付けられる。

 ロリコンではない一般人ならば、危ないと叫ぶだけで実際に足は動かない。人というのは、急な出来事に対してすぐに動けないものだ。

 次に、悪いロリコンなら、あのまま公園で遊ぶロリっ子を視姦し続け、無防備であるロリっ子のパンチラを狙っていた。

 一人のロリっ子より大勢のロリっ子を選ぶ。ロリっ子と言えど、平等には扱わない。

 次に良いロリコン。迷わず駈け出しロリを救おうとする。

 この世に失われていいロリの命などない。未来あるロリは救われるべきだ。

 ロリに差別はない。みんな無邪気で純粋で平等だ。


 オレの判断、行動は間違っていなかった。あのとき、命を掛けてロリっ子を守ってよかったんだ。

 オレの命なんて無駄だと、このまま生きていて何があるんだとずっと考えていたが、オレはロリっ子を守るために生きていたんだ。

 ロリっ子に心臓を捧げるんだ。


「どうした? 急に心臓に手を当てて」

「自分に感謝しています」

「そうか。よく分からんが、自分の労るのはいいことじゃ」


 母さん、父さん、ありがとう。オレを立派な善良なるロリコンに育ててくれて(多分、そんなつもりはないだろうけど)。


「そうじゃ、お主さっきから、ロリっ子に甘えることしか考えてないが、別に甘えるだけしか許されているわけじゃないからな」

「…………なん、だと!?」


 甘えるだけでも、難易度レベルが高いというのに、他にも色々できちゃうのか!!

 いや、落ち着け。そうだ、こういうときは深呼吸をしよう。


「すーはー。すーはー」


 わあ、巫女ロリからめっちゃいい匂いするやん。

 じゃなくて。落ち着かせているのに、興奮してどうすんだ。


「えっと、ロリっ子と手を繋いでも?」

「ごーほーじゃ」

「流石に、ハグは」

「ごーほーじゃ」

「抱っこやおんぶは」

「ごーほーじゃ」

「ひ、膝枕は」

「ごーほーじゃ」

「マジですか」

「マジじゃ」


 ロリとそんなに触れ合えるなら、オレもう死んでもいいや。もう死んでたは。

 しかし、神様に選ばれるだけで、こんないい特典が付いて来るとは。

 日頃から良い行いはしてみるものだな。


「極端に言えばのう? 別にロリっ子と混浴しても添い寝をしてもキスをしてもいいんじゃ」

「神様、それは極端過ぎますよ」


 ロリっ子と混浴? んなもん、銭湯に言って、運良くパパと一緒に入ってくるロリっ子を狙うしかないですよ。

 添い寝なんて、夢もまた夢。色々な運に恵まれないとできないっすよ。

 キスなんて、ゲームや漫画の中だけの話。実際に知てみろ、即お巡りさん案件で豚箱入りだ。


 いくら神様に選ばれたからと言えど、そこまで都合の良い展開あるわけがない。

 宝くじで一等当てる方が簡単まであるぞ。

 そりゃー勿論? 本当にそんなことができるなら、してみたいよ? 堂々とロリっ子と混浴も添い寝もキスもできることなんてないし。いや、あったら、それはそれはヤバいけどさ。

 実際、そんなことが許されるのは大人幼女ニセロリ相手だけだ。


「いや、ごーほーじゃ」

「………いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」

「ごーほーじゃが、誰でもできるわけじゃない」

「ほらね、やっぱり。そんな都合のいい展か」

「相手ロリっ子が、それを許せばいい。というかのう、最初に言ったこと全部、大前提としたロリっ子が承認すればの話なんじゃ」

「つまり、自分の都合ではなく、あくまでロリっ子の都合、気分ということか」

「そうじゃ。ロリ界がロリっ子が全て。ロリっ子がルールじゃ」


 それはそうだよな。紳士のロリコンなのに、自分の欲求を無理矢理ロリっ子に押し付けていては、それは紳士ではなくだだの獣だ。


 あくまで、ロリっ子に優しくし、ロリっ子に合わせ、ロリっ子を楽しませるのが紳士ロリコンの役割。

 ご褒美というのは、その過程で貰えるもの。


 自分勝手に動き、ロリっ子に嫌われては意味がない。下手すりゃロリ界追放だ。


「なるほどなるほどわかった。つまり、オレはロリっ子に心許される相手になればいいってことだな」

「簡単に言えばそういうことじゃ」


 さいあく、ロリっ子に囲まれるだけでも十分幸せだ。

 ご褒美は、貰えりゃラッキーぐらいに思っておこう。


「どうする? ロリ界に行くか? 辞めておくなら、このまま同じ世界に転生させることも可能じゃが。勿論、転生の際はある程度の要望は聞くがのう」

「転生の選択もあるんだ」

「うむ。お主は死んでおるからのう、転生する権利はあるんじゃ」

「因みに、要望っていうのは」

「大抵のことはできるぞ。性別、才能、家族構成、外見、身体機能などじゃ」

「記憶を残したままとかは?」

「前世の記憶持ち越しか。できんことはない」

「おー!!」


 転生モノあるある、前世の記憶があるパターンができるのか。

 役に立ちそうな前世の記憶は然程ないが、それでもゼロから始めるよりは幾分もマシだろう。


「記憶というのは繊細なものでのう。頑張ってはみるが、全ての記憶を持ち越しできるとは限らんのじゃ。たまにおるじゃろう、少しだけ前世の記憶がある奴が」

「たまにテレビとかに出るな」

「ああいう奴らは、このタイプじゃ。転生時に記憶の持ち越しを望み、実際に生まれ変わるとほんの一部の記憶しか持ってこれなかったんじゃ」

「そうだったのか」

「うむ。だから、記憶はあまりはオススメせんな。そんなよりも、外見や身体能力、人生に関わる事をカスタマイズするほうがよいぞ」


 あるかないか分からない記憶よりも、人生に大きく関わるかも知れないキャラ作りを選んだ方が良さそうか。

 あくまで、転生するならの話だけど。


 待てよ、じゃあロリ界には、このままの容姿で行くってことか。


「ロリ界にはこのまま行くのか?」

「そうじゃよ。ロリ界は転生ではなく、前世の疲れを癒やす場所じゃなから。言わば天国みたいな場所じゃ」

「なるほど」

「なんじゃ、嫌なのか?」

「嫌っていうか、どうせならもうちょっとロリっ子に好かれそうな感じになりたいなと」

「ふふ、安心せい。ロリっ子は大人のように外見で選んだりはせん。ロリっ子は、内面を見ておる。お主は、優しい心を持っておる。きっと、ロリっ子たちに好かれるのもそう時間は掛からん」

「そう?」

「うむ!」

「そっか。なら、いいか」


 大人はまず外見で判断するが、ロリっ子は内面で判断する。ブサイクとかかっこいいの前に、優しいか怖いかだ。

 大人は内面が多少悪くても、外見さえ良ければ耐えられるが、ロリっ子は外見が良くても内面が悪ければ耐えられない。

 性格は表面に出ると言うが、きっとロリっ子はそれを強く感じやすいのだろう。

 だがしかし、その分ロリっ子は疑うことを知らないため、悪い大人それもロリコンに騙されてしまう。

 なぜか? 人を疑うことを知らず、嘘とは無縁なキレイな瞳と心を持った天使だからだ。


「なら、頼む。オレを夢の世界ロリ界へ連れて行ってくれ!」

承知しょーちした!」


 巫女ロリが、パンパンと二回手を叩くと、光と共に中央に『幼』と刻まれた襖が現れた。


「あの襖の先に“ロリ界”が繫がっておる。自分のタイミングで、開けていくといい」


 オレはゆっくりとした足取りで、襖の近くまで行く。

 この先に、ロリしかない楽園……ロリ界があるのか。

 この先に夢が詰まっていると思うと、心臓がドキドキとしてき、緊張と一緒にワクワクしてきた。


「なあ、神様」

「なんじゃ?」

「この先にロリっ子がいるんだよな」

「そうじゃ。たくさんのロリっ子がお主を待っておるぞ」

「そうか。なんか緊張してきたな」

幼女ロリ相手に、何緊張することがある。言っても、相手は子供じゃ。普通に接すればいい。我と同じように」

「そうは言うけど、実際にロリと関わることなんてなかったから、改めて考えると本当にオレなんかっ!?」


 行っていいのかと言い終わる前に、後ろからギュッと抱き締められた。

 発達途中の小さな身体でオレに密着している。


「何回も言っておるじゃろ。お主は優しいやつじゃ。もっと自分に自信を持って、もっと自分自身を信じてやるのじゃ。お主がロリっ子を傷付ける事なんてない。我が保証してやる。だから、さっさと襖を開けて行って来い」

「……わかった。ありがとう神様」


 オレは襖に手を掛け、ゆっくりとスライドさせ、その先に足を踏み入れた。

 夢の世界が……ロリっ子たちがオレを待っている。


『ロリっ子を助けてくれてありがとう』


幼幼幼


 巫女ロリとは、世界中のロリっ子を見守っている。危ない目に遭いそうになっていたら、神の力を使い気付かれないように助けている神のこと。

 しかし、いくら神と言え、世界中にいる全てのロリっ子を必ずしも助けられるわけではないんじゃ。

 今回の事故もその例である。あの時、我は、他の場所で起きていた誘拐されたロリを助けている最中で、事故に気付いたのはちょうど助け終わった後だった。

 道路に倒れるロリっ子を見て、また自分の悪い癖が出たと感じた。

 一つのことに集中していると、他に目がいかず、一人助けている間に一人、二人が犠牲になっていた、なんてことは時々あった。

 だから、今回もまたやってしまった。助けられたはずの幼い命を助けられなかったと、自身を責めた。

 何がロリの神様だ。何が世界中のロリを見守るだ。救えるものも救えなきゃ、神なんて名乗れない。神様失格だ、と。


 しかし、奇跡が起きた。倒れていたロリっ子の手が動いたを見逃さなかった。

 まだ、生きている。まだ命はある。まだ、諦めるのは早い。

 我は大急ぎで、すぐに救急車が来れるよう、世界をコントロールした。


 その結果、ロリは骨折と入院で済んだ。

 その後、我は一人の男によって、そのロリっ子が救われ、その代わりにその男が死んだことを知ったのじゃ。


 男のことを調べ、彼がロリコンであることを知った。

 そして、決めた。こやつなら、自分が何よりも厳重に管理する、ロリしかいない世界“ロリ界”に招待しても、大丈夫なロリコンだと。

 世界にはろくでもないロリコンが多くいるが、この者ならばロリっ子に害をなすことはない。

 己の命を掛けて、ロリっ子を守るぐらいだ。そんな奴が、ロリに害をなすようなら、もう何を基準でロリコンの善悪を選別したらいいかわからない。


 すぐさま我は、男の魂を呼び寄せた。

 紳士なロリコンだと分かっているが、念の為調べようと、敢えて巫女のスカートを短くし、しゃがんときパンツが見えるようにしておいた。


 そして、眠っていた男が目を覚まし、男の前でしゃがむと男はじっとパンツを見ていた。

 調べた通り、こやつがロリコンであることは間違いと分かった。

 その後、ロリ界のことを説明した。彼は、ワクワクしたように聞いていたが、どこか不安気でもあった。

 我はどこに、不安要素になるところがあるのか分からなかった。

 ロリコンならば、ロリしかいない世界に行けると知れば、話も最後まで聞かず、すぐさまに行かせろと言い出してもおかしくないはずじゃ。


 こやつは、本当に自分がロリ界に行っていいのか、悩んでいた。

 ロリっ子たち傷付けるのではないかと。


 我は反省した。いったい、こやつのどこに疑う要素があったのか。

 自分の命をよりもロリっ子の命を優先するほどのロリコン。

 ロリっ子しかいない世界に行けると分かっても、がっつかず最後まで話し聞き、様々な確認を取ってくる姿勢。

 こんな優しく誠実なロリコンはそうそういない。


 我はやつの不安を全肯定してやり、そしてやつを夢の世界へ見送った。


「存分にロリっ子たちと戯れるとよい」


 END

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神様ロリと紳士ロリコン 冬雪樹 @fuyuki_yuki

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