第66話

――――――……


アタシはまたバッグを持ってリオと実家を出た。


今朝は彼から逃げるようにこの道を歩いていたのに、今は……逃げたかった相手と並んで夜の道を歩いていた。



「ねえ、俺の気持ち分かってくれたの?」



「え……、うん。」



アタシは俯く。


まだ実感がなかった。


リオが父の前で言ってくれたプロポーズの言葉。


父もアタシもドアの向こうで聞いていた母も号泣してしまった。


ホント、恥ずかしい家族なんだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る