第65話

「俺が沙良と結婚したいために浜崎部長に近づきました。」



「諏訪君、まさかそれはないだろう。」


父は腑に落ちないのか笑い出す。


でもすぐに雰囲気を読んで真顔になる。


リオはそのまま続ける。



「あの時は……高校生の時は沙良に対する気持ちが恋愛感情だとは分かりませんでした。だけど、半年前沙良を会社で見たときに確信しました。好き以上の感情をもっていたんだと。」



え……それじゃあリオはアタシを?


身体の脈が自分でも分かるくらい早く感じた。



彼はアタシを見た。


その視線をアタシは逸らす事が出来ない。



「浜崎沙良さん、僕と結婚してください。」



……涙でぼやけて、


綺麗なリオの顔を見る事が出来なかった―――。

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