第58話

――――……


仕事が終わったのはもう18時も過ぎていた。


超過勤務だとしても手当がつくのは一般社員だけで年俸制の俺にはつかない。


エントランスを出て携帯を確認すると着信を知らせるランプが点滅していた。



浜崎部長からだった。



彼から俺に連絡をしてきた、という事は今回の話が破談になる可能性が高いと思った。



沙良は……、


ホッとしているのだろうか、


俺以外の誰かを選ぶのだろうか、


俺はもう沙良なしでは暮らせないのに。



手に持っていた携帯の画面に触れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る