第34話
彼、滝川律は当時の同級生の間でもかなり目立っていた。
同じ学部にいた俺は彼が一年後に医学部に編入すると飛び級であっという間にレベルの違う世界に行ってしまったのを目の当りにする。
上には上がいるんだと思った。
でも一番ビックリしたのは滝川は日本に帰らないと言っていたのに、今ここにいる。
俺が勤める企業に。
「ねえ、お前の変な噂聞いたんだけど。」
「なに、今度は俺何人と付き合ってるコトになってる?」
溜息をついて滝川は目の前のパソコンのキーをうつ。
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