第31話
「それなら結婚する事は何の問題もないね。」
「……はい?」
アタシはリオに腕を掴まれたまま情けない声が出てしまった。
「沙良は俺だから最後までシようと思ったんでしょ。良かった、遊ばれたんじゃなくて。」
リオは意地悪そうに笑うとアタシを抱きしめる。
「は、嵌めたのね!?離して。」
「まあまあ、そんなに照れないで。素直に抱きしめられてなさい。」
そう言われて悔しいはずなのに、
アタシは彼の腕を振り解く事が出来なかった。
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