第17話

「同じ総務課の誰だっけ、同期の奴と付き合ってるんでしょ?俺と別れてすぐに。」




「え、旬の事ですか?」




「ふうん、旬て呼んでるんだ妬けるね、」




旬は・・ただの同期で友達なんだけど、




「どうだった?その旬より俺とのキスの方が良くない?」




「な、なに言ってるんですか!?」




「その旬とは寝たの?気持ち良かった?」



水沢さんの手がアタシの頬に触れる。


少しひんやりとした指先でアタシの輪郭をなぞる。



「…旬とはそういう関係ではありませんっ、」



ヤバい、背中がゾクゾクする。



室内が真っ暗だから



ゾクゾク痺れる感じが



余計に助長されるみたい。




「ホントに?」




「うそ・・なんて言ってません、」




水沢さんがアタシにもっと近づいて



彼の唇はアタシの右耳まで迫った。




「じゃあ、俺がここで藤森さんに手を出しても浮気にはならないね?」



手を出す?



アタシは瞬きを何回かする。


「水沢さん?えと、」




「俺とシタ後であいつと浮気したら、もう助けてあげないからね、」




それって……。

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