いぢわるな唇

第8話

時計を見ると20時前だった。


「お腹すいた…」



でもあと15分もあればクリア出来ると思う!



ホントあと少し…、



『ヴィーン、ブツ!』




突然、パソコン画面が真っ暗になる。



「ええーっ!?やだー!」


アタシは焦ってキーボードを押しまくる!



カタカタカタカタ……



「だ、ダメだ…。」



アタシでは対処できない。



「またSE呼ばなきゃ…」



こんな時間だから水沢さんではない当直のSEがいるはず!



よかった!気兼ねなく電話出来る…。


アタシが電話を手にした瞬間、用度室のドアが開く。



「・・何処押したの、信じられない。」




そう言いながら水沢さんが入ってくる。



「み、水沢さん?どうして…、」



パソコントラブってるってわかったの?



「管理室で分かるようになってるから、」




「え…でも、退社の時間過ぎてますよ?」




水沢さんはアタシをちらっと見る。



「ただの同僚の退社時間が気になる?」



え?



「あ、そういうわけじゃ、」




……なんなの、



そんな言葉を話さないでよ。

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