第5話

退社時間前になっても水沢さんからの電話はなかった


「まや、今晩の約束だけど…、」



アタシが内線電話を見つめていると旬が声を掛けてくる。




「あ、えと今日は…、」




堀内旬は同じ総務課で働く同期。



何度か告白されているけど、付き合った事はない。




「まだ仕事残ってるから、」




「あ、そうなんだ?じゃ今度にする?」



アタシは頷くと、彼は笑ってオフィスを後にした。




アタシは用度室にいるかもしれない?水沢さんを探しに



ひとり用度室に行ってみた。

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