第2話 鳴り響いた後

「痛いよ」猛烈な感覚が、肌を覆う。今まで感じた痛みが可愛く見える程の感覚。


 光か、それと似た何かが僕の目の前を塞いでいて、上手く周りが見えなかった。一体何が起こったのか、どうすれば良いのかも考えられない。


 ただ漠然と、なりたくないものに一歩近づいてしまった事だけが、頭の中にあった。正直、今どんな気分と聞かれても答えられないと思う。


「でもさ」奇跡のような確率で、僕は生きていた。最低な感触を抱えながらも、僕は確かに自分の意識を保っている。少しずつだけれど、段々と体の感覚が戻ってくるような気さえした。


 まずは、足のつま先。その次は……足の裏、足の甲、くるぶし、ゆっくりとふくらはぎまで、足の膝、太もも。順調だと僕は思った。ここまで感覚が回復したのなら、この後も続いて回復していく筈だと。


 股関節にかけて、腹筋、胸、咽喉、顎から唇、瞳。光がだんだんとやみ、辺りが暗くなる。けれど、それはある一定のところで止まった。


「腕が、無い?」

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