第11話 騎士団
抱きかかえられ数分たったころ、森の中に小さな建物が見えてきた。
扉を開け中に入っていくとリーダー格の人が
「ミカリス様。森にこのような者が侵入していましたが、わが国の
装飾品を持っており、連れてまいりました。」
「モモ、どうして?」
目の前にミロがいる。
「ミローー。」
思わず駆け寄り抱きついた。
「すごく会いたかった。」
ミロに会えてホッとしたせいか、涙が止まらまい。
泣き止むまでずっと涙を拭いたり見守ってくれた。
落ち着いたところで、ここまで来たいきさつを話した。
そしてミロも仲間か部下なのか、さっきまでいた猫達に
私の事を説明してくれた。
知らない間に猫達が、人間達になっている。
「ミロ、この人達は?」
「俺の部下達で騎士団だよ。」
「モモ様。先ほどは失礼いたしました。ミカリス様の恩人であるのに。」
とリーダー格が頭を下げていた。
「そんな。私を連れてきてくれたしリュックだって持ってくれた。
それにミロに会えた。お礼を言うのは私の方。」
「私はセイと申します。」
リーダー格の人が言う。
セイはミロより背が高くグレーの髪でガッチリしている。
猫の時も毛が長く大型だった。
「モモ。セイは俺の右腕で頼りになるんだ。
セイ、モモを助けてくれてありがとう。」
騎士団達の髪色は銀色っぽかったり、白っぽかったり
みんな淡いグレー系だ。
この国の特徴なのかな?
私は敵国の髪色なんだろうな。
この建物は森の中の隠れ家で、森を抜け山を越えると隣国らしい。
さらわれたミロの妹を探し、ここにいるらしい。
「この森の中で妹の気配があるんだけど、見つからないんだ。」
とミロは言う。
「今日は遅いから、ゆっくり休むといい。」
「分かった。」
ミロが部屋を案内してくれた。
「明日も妹さんを探すのよね。」
「そうだね。」
ミロの手をぎゅっと握りながら
「また、明日。おやすみなさい。」
と言った。
「おやすみ。」と言いながらミロはモモの頭を撫でた。
私もミロを撫でたい。触れていたい。
明日、ゆっくりと今後の事など話そう。
今日は疲れてすぐに眠ってしまった。
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