第9話 出会った公園
ミロと出会った公園に着いた。
時間は夕方の5時過ぎ。
空は薄暗く周りには誰もいない。
ベンチ後ろの大きな木の辺りに異世界のゲートがあるらしい。
斉藤さんにお礼を言うミロ。
そして私の方を向き気まずそうな顔をしている。
改めてまじまじと見ても、とても美しい青年だ。
「ミロ、もう会えないの?そんなのイヤだ。」
涙があふれてきて、思わずミロに抱きついていた。
「モモ、短い期間だったけど楽しかった。ありがとう。また会いに来るよ。」
と言って、おでこの生え際あたりにキスされた。
嬉しさと恥ずかしさで顔が真っ赤になった。
そんな私を見てミロは微笑んでいる。
そして胸に付けていた緑色の宝石がついたピンバッジのような物をはずし、
「これを持っていてほしい。君を守ってくれるから。」
といって渡された。
「綺麗。ありがとう。大事にする。絶対、戻ってきてよ。待ってるから。」とミロの腕を強く掴んでいた。
「分かった。」といってミロは私の頭を撫でてくれた。
撫でるのは私の特権だったのにズルイ。
猫のミロも人のミロも好きなのに・・・
ミロはどうなの?
泣きながら「気をつけて。」と言った。
「じゃあ、行くよ。」と言ってミロは光り中に消えていった。
随分と長い間、ミロが消えていった場所を見つめていた。
我にかえり、送ってくれた斉藤さんが側にいることを思い出した。
「何かあればここに連絡してください。」と斉藤さんは携帯番号を教えてくれた。
私も斉藤さんに連絡先を伝え、そこで別れた。
そういえば、斉藤さんはミロの事を『ミカリス様』と呼んでいたな。
彼も異世界と何か関わりがあるのだろうか?
私は何も知らない。もっとミロの事を知りたい。
今度戻ってきたら、色々と聞こう。
また会えるのだろうか?
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