第7話 銀髪の美しい彼

「あなたはだれ?私のミロは?」

目の前に銀髪の美青年が立っている。


「モモ、俺だよ。ミロだよ。」


どういう事?ミロは猫であなたは外国人のような緑の瞳で、、、

あ、ミロも緑のキラキラした美しい目の猫だ。


「ミロなの?人間に変身できるんだ。スゴーイ!」

「えー?」と低い声で人型のミロが呆れ顔だった。

「こっちが本来の姿です。」と拗ねた感じで言った。


ミロのいる異世界はみな動物に変身できるらしい。

ミロの国は猫に変身できる猫化人の種族。

しかもミロは超絶イケメン。

猫の時は可愛いし、本来の人間の時はカッコ良すぎて眩しい。

K-POPアイドルで漫画から出てきたみたいな人っているが、まさにそんな感じだ。

と、口をポカーンとあけてミロに見とれていると、


「ミカリス様。申し訳ありません。リリシア様が、たった今、、、」

と60代くらいの紳士が頭を下げていた。


「リリシア?」って、、、


そうだ、ミロはミカリスと言う名前だった。

と言うことはリリシアは妹のことよね。


ふと床を見ると黒く光り輝く鳥の羽が落ちている。


「ルトネルド王国の者が来たのだな。」

とミロが言った。

「はい。おそらくルトネルドの王子だと思われます。」


わぁ、王子?王子?と不謹慎ながら興奮してしまっている。ゴメン、ミロ。


「リリシアを助けに行かなければ。」

とミロは言い、今にも飛び出していきそうな勢いだ。


今、斉藤さんが住んでいる辺りは異世界の魔力と似たチカラがあるらしい。

以前住んでいた所で黒く光輝くカラスが現るようになり、よりチカラの強いこの地、奈良に越し結界をはっていた。

にも関わらず、リリシアは拐われてしまったのだ。


「急いでブルギスト王国に戻る。」とミロは言った。

ブルギスト王国とは、異世界のミロの国だそうだ。

ブルギスト、、、何かカッコイイ。お城とかあるのかな?

行ってみたい。


異世界へ戻るゲートが、ミロと出会った公園らしい。

斉藤さんが車で送ってくれる事になり、車中は沈黙が続いた。


ミロ、心配だよね。

でも、そもそもどうして妹は狙われているのだろうか?

普通なら王子や姫が狙われそうなのに。

何か特別な理由があるんだよね。

今は、その話は聞いてはいけない気がして黙っていた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る