散歩師しずく

釣ール

二○二四年十月三日

 他人の『若くない』を聞いていたら『ほんとうにそう?』とうたがい逆に燃えてやりたいことをしようと考えていた女性がいた。



 雨我谷あまがやしずくは二十代後半でまわりにはそれほどいを感じていないようにみせていた。




 ところが背のびしすぎたからか無理がたたり休職をしていた。





 インターネットでそういった面倒事めんどうごとからぬけている人達と話すもやはり距離を取らないと気遣きづかいが出来なくなりそうだと思い、デジタルデトックスをいいわけにアカウントを消す。





 いつもはただの田舎いなかとしか認識していなかったしずくは女性アイドルだった友人の激しい運動に感動してまねしては疲れる日々を送っていた恥ずかしい歴史を思い出してコンビニがすく近くにある街へ引越ひっこした。





 趣味がないなあ。

 全部金がかかるしプロ自慢じまんの動画ばかりで簡単にできる散歩が見つからない。




 それか散歩のやり方は書いてないけど楽しんで散歩している誰かが動画を撮ってくれていたらそれをながめたいのに。





 ダイエットだとかそういうのも別に良くてただ散歩したかった。





 スマホは万歩計代まんぽけいがわりになるらしいけど昔の有名なゲームで正確な万歩計・○ケウォーカーがほしいと形から入りかけたしずくは何も考えずにその場を散歩することにきめた。





 それがしずくの何かを変えたわけじゃない。

 いつも通らない道を安全を確認して歩いただけ。

 ○ケウォーカーもない。





 でも活字かつじ文字もじからぬけた時間は足の裏からいつもどおりのいたさを感じただけなのにやってよかったと思えた。





 もう名乗っちゃったっていいか。




 散歩師さんぽししずくを。

 それでもSNSにもあげることはしないしつぶやかない。





 次はもう少し工夫しよう。

 ここよりもいい仕事を手に入れて小さすぎる幸せばかりで満足しないように目標を持っていきたいから。

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散歩師しずく 釣ール @pixixy1O

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