「次はないから。」

有無を言わせない覇気。

諾諾（だくだく）と従わせるほどの器を持ち、俊也や、他の騎士を圧倒する、その存在感には逆らえない。

「っ、」

“捨てられる”

ｱﾝｼﾞｭの言葉に、俊也の頭の中でそんな恐怖にも似た思いが支配した。

「……申し訳ありません。」

「…………。」

「、ｱﾝｼﾞｭ…。」

すがるように見つめる俊也の頬を目を細めながら、ｱﾝｼﾞｭはゆるゆると優しく撫でていく。

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