第19話



「…………。」



跪く俊也を黙ってアンジュは見下ろし、彼の行為を受け入れるだけで微動だにしない。




じっと、見下ろすだけ。



「俊也?」



「っっ、」



凛と発せられるアンジュの声に俊也の背中が粟立つ。




「俊也は頭が良いから、私が言いたい事が何なのか、分かるでしょう?」



「、」



「私は、同じ事を二度は言わないよ?」



「……はい。」




そっと、アンジュの小さな手が俊也の頬を包み込む。

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