第14話
オーディションが終わってもやることは変わらない。ヒカリと毎日ジョギングをして、筋トレをして、歌の特訓をする。そこにヒカリのテスト勉強が加わったくらいだ。
ヒカリの手料理は味が濃くて、じわっとした優しさが含まれていて美味しかった。おふくろの味とはこういうものか、となんとなく思った。
テストが終わると夏休みに入った。夏休みの間の特訓はどうしようね、合宿なんてしちゃおうか、なんて話をして、終業式の後にヒカリを学校まで迎えに行って、制服姿のヒカリと写真を撮って、コンビニでアイスを買った。
これからもこんな日常が、ゆるい幸せが、だらっと続くのもいいかもな。頭の片隅でそう思う。ヒカリとの日々は楽しくて、荒んだ心が潤って────
楽しい毎日はすぐ終わる。
夏休みに入って一週間経ち、オーディションの結果が通知された。
ヒカリは不合格だった。
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