第13話
「俺のどこが気に入らないんですか?何か要望があるなら言ってください。できる限り合わせます」
「これ以上、何も望むことはありません…!」
私が付き合うって言うまで解放しないつもり?
どうしよう…
私…天城さんと付き合う…?
今狙っている男性がいるわけでもないし、ここまで言ってくれているのなら一度付き合ってみるべき…?
…そうよね。
期限付きなんだし、少しでも不審なところがあったら即別れを切り出せばいいの。
今までだってそうしてきたじゃない。
「…わかりました。そこまで言うなら…私の理想の彼氏になって下さい」
…って、なんで上から目線な言い方!?
「フッ。…そういう強気なところも好きですよ」
「えっ…」
天城さんが笑った…
前髪がないから表情がはっきりとわかる。
…笑った顔に一瞬ドキッとした。
「…もしかして、俺のこと意識してます?」
「えぇ!?そ、そんなこと…」
天城さんはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
そして私の隣に座ってきた。
「な、何ですか!?」
天城さんの手が私の頬に触れる。
か、顔が…近い…!
「ちょ、ちょっと…」
「顔真っ赤ですよ。…可愛い」
「私をからかわないで下さい…!」
「言いましたよね?俺はいつだって本気です」
真剣な眼差しを向ける。
…まさか本当に私のことが好きなの?
「今日から期限付きの恋人関係が始まりますね」
「ほ、他に好きな人ができたらすぐ別れますから…!」
「それは…聞き捨てならないですね」
「な、何よ」
「俺以外の男なんて目に入らないくらいあなたを夢中にさせてみます」
「…!」
気づけば天城さんの唇が触れていた。
柔らかくて温かい。
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