第7話

「香坂さん、彼氏はいますか?」


「今はいません…」


「好きな人は?」


「い、いません…」


「…俺と付き合ってみませんか?」


…私と天城さんが?

付き合う?

…いやいや!全く想像つかないんだけど!


「…私、心に決めているんです」


「何を?」


こうなったら天城さんがドン引きすることを言って諦めてもらうんだから!


「こんなこと言ったら笑われると思いますが、私は素敵な殿方と出会うまで男性とお付き合いはしないって決めてるんです」


よし、これで私の勝ちね。

何この女、頭おかしいんじゃない?って思って私に告白したことを後悔するに決まってる。


「香坂さんの言う素敵な殿方とはどんな人ですか?」


…え?

そこ!?

違うでしょ!?

…まぁ、いいわ。

こうなったら次の作戦よ。


「私、理想が高いんです。私の思う殿方は…カッコよくて、背が高くて、身体もそこそこ鍛えてて、紳士的で、お金持ちで私を幸せにしてくれる人です」


「なるほど…確かに理想が高いですね」


きたー!

そうでしょ?

これでヤバい女だってなって私のこと嫌いになるでしょ?


「俺は身長は180センチありますし、身体は一応ジムで鍛えてます。あと人を養うくらいのお金ならあるので問題ないかと」


「だ、ダメです!私が一番気になっているのはその前髪と眼鏡です!それじゃあ表情も見えなくて話してても正直よくわからないというか…」

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