第4話

「それでは私はここで。お疲れ様でした」



私は天城さんにお辞儀をして帰ろうとする。




「あの…香坂さん」


「はい」


「この後、良かったら一杯どうですか?」


「え?」


「この近くで美味しいお酒の店知ってるんですけど一緒に行きませんか?」



天城さんと…サシで?

それに天城さんの方から誘ってくるなんて意外すぎて返す言葉が見つからない。



「俺が誘ったので、奢りますし…時間がなければ少しだけでもいいのですが」


「わかりました。大丈夫です」



何を話せばいいのか、分からないけど丁寧に誘ってくれてるし…

少しくらいならいいかな。



こうして天城さんと飲むことに。



着いたお店は小洒落ていて天城さんのイメージとはかけ離れていた。


「どうぞ」


「あ、ありがとうございます…」


お店の扉を開けて私を先に中へ入れてくれる。

…さすが、天城さんね。

マナーも完璧。


半個室の席に通され、席に着く。

お互いビールとおつまみを頼む。

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