第2話
「香坂さん、今日は天城くんと一緒に外回り頼めるかな?」
「わかりました」
隣の島に座る冴えない男。
彼は仕事も早く営業の成績は常にトップ。
超エリートなのに問題がある。
1つは目にかかる程の長い前髪。
そしてそこにガードを固めるかのようにしてかけている黒縁眼鏡。
表情は見えないしで正直近寄りがたい存在。
それでも口が上手いのと彼の言うことは筋が通っていてリピーターのお客さんが多い。
2つ目は無口で毒舌なところ。
正論を言っているのはわかるけれど上司構わず思ったことを口にするのでみんなが彼と話すときは恐れていた。
…そんな彼と営業回りか。
私の仕事は営業補佐。
営業社員が取ってきた案件に対してデータを集めたり、企画書を作成したりしてサポートをする。
必要なときは同行して資料を用意することもある。
私は正直、彼のことは好きでも嫌いでもない。
彼の言うことには納得がいくし、仕事を一緒にする上では何も不満はない。
だから特に気にせず接していた。
「香坂さん、そろそろ行きましょうか」
「はい」
天城さんに声をかけられ、資料を鞄に詰め込む。
先に行ってしまう天城さんを慌てて追いかける。
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