01.突然の告白

第1話

「おはようございます、香坂さん」


「おはよう」


「今日も綺麗ですね…!」


「ありがとう」



ブラウンに染めた艶のある長い髪。

毎日コテで欠かさず巻いている。


濃すぎないヘアメイク、目立ちすぎないピアス。

短すぎないタイトスカート、露出は控えめに。


日焼けしないよう常日頃気をつけているボディケア。

白さを保ち、うるおいのある肌をキープ。



そして何よりも私は容姿に自信がある。

なぜなら男性からモテて、告白もされる。

うちの会社でも男性は特別私に優しい。


それをよく思わない一部の女性社員からはたまに嫌がらせを受けることもある。


なら、男に困ってないでしょ?ってみんな口を揃えて言う。



違う、その逆だ。

私は昔から男運がない。

この人ならと思って過去に付き合った男が2人。

けれど、どちらも最低だった。


1人は浮気性で、私以外にも3人の女と付き合っていた。

それはホテルでエッチする流れになった時、思わず口走った知らない女の名前。

すぐバレたよね。

速攻で別れた。



2人目はハイスペック男子だと思っていたら嘘の塊だったことが判明して別れた。

難関大学卒業なんて嘘。

本当は高卒。


大手IT企業に勤めているなんて嘘。

本当は無職でヒモ状態。


海外留学の経験があり、トリリンガルなんて嘘。

本当は海外なんて行ったことのない初心者。


彼が言うこと全て信じられない。

人間不信になりそうだった。



そんな感じで気付けば今年で27歳。

彼氏もいなければ結婚も危うい。

そして何よりも…私は処女。

この歳で経験ゼロなんて言えるわけない…


それでも素敵な殿方を見つけて幸せな結婚を夢見続けていた____

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る