第10話 無人島と教科書

「無人島において学校の教科書は結構使えると思うんだよね……」


 いつものようにいきなり変なことを言い出した山越くん。無人島と教科書?一切繋がらない。


「数学や物理は何かを作るときに役立つ。化学は言うまでもない。家庭科は調理方法が載ってるし、保健は安全管理の方法が書かれている」


 たしかにそうだ。学校で習う内容は、意外とサバイバルにも役立つ。そういうことを、山越くんは言いたいのか。


「いざというときは武器として使える」


 ……それはどうかと思うけど。


「でもさ、山越くん」

「どうしたの、筒井さん」

「普段からそれをちゃんと学習していれば、教科書を持って行く必要はないんじゃあ……」


 それだ!みたいな顔しないで山越くん。


「目からウロコって、こういうことを言うんだね」


 だってそうだよ。教科書よりサバイバルナイフのほうが絶対にいいよ。武器としても。


「無人島に持って行くものは筒井さんでいいような気がしてきた……」

「やめて!」


 私無人島行きたくないよ!あと私はものじゃない!

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