第2話




「捕らえたか?」

 


高くも低くもない声が静かに響く。

だが、その声は聞いた瞬間、身を震わすような、そんな声だった。






「いえ、いま全勢力を持って追っております」



「必ず捕らえろ、どんな手を使っても

 だが、わかってるな? 

 殺すな、奴には聞きたい事がある」



「承知しました!」




何人もの慌しい足音が響き、その場所は再び静粛を取り戻していた。








「四季、あなたが自らこんな場所に出てくるなんて、珍しい事もあるんですね」



そんな声をかけながら近づく男は、帝王の右腕と言われている

秋風 右京(あきかぜ うきょう)だった。




そして四季と呼ばれた男こそ

京極組 若頭 京極 四季(きょうごく しき)

この街の 「闇の帝王」 だった。








その光景をビルの屋上から様子を伺いながら考える。



『なぜ?あの2人がここに?』




思いがけない人物の登場に驚きを隠せない様子だった。

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