第3話 米澤穂信古典部シリーズ「いまさら翼といわれても」より「わたしたちの伝説の一冊」から学ぶ
「2分間で51話分ハートいいね」を食らった昨今、皆様いかがお過ごしでしょう。通知欄はこれで埋め尽くされました。これがカクヨムの現実で「お前絶対読んでないよな?」という速度で足跡だけ残す悪しき例という奴ですね。
もはや通知欄荒らし。
こういうこともありますが、放っておくのが私流。
ままあること、カクヨムあるあるですから(笑)
さて本題に入りましょう。
以下敬称略。
□米澤穂信著「いまさら翼といわれても」から「わたしたちの伝説の一冊」をまずは紹介
本作品は古典部シリーズで現状最新作。「氷菓」というタイトルでアニメ化、コミカライズもされている作品でご存じの方も多いでしょう。今や直木賞作家にもなった米澤穂信の代表シリーズと言えます。
「いまさら翼といわれても」は2016年に発売。全六編の構成で、その一つに「わたしたちの伝説の一冊」があるわけです。
些かネタバレになりますが、少しだけ紹介します。六編あるので、ほんの少しぐらいはいいでしょう。短いですし。嫌ならすっ飛ばすか、今すぐ買うかブラバして下さい(笑)
□わたしたちの伝説の一冊
四人存在する主要登場人物の一人、伊原摩耶花(いばらまやか)はいわゆる漫研という部に所属しており、漫画を描くことを趣味としていた。そんな摩耶花の腕前はもはや趣味の領域を超え、漫画雑誌に応募するなど活発な描き手として描かれている。
そんな漫研はカクヨムよろしく「描く派」と「読む派」に対立しており、摩耶花も当然巻き込まれてしまう。ここらはアニメ版でも多少描かれているので色々すっ飛ばす。さて、本作において摩耶花は部内の対立が激化する中、ある人物からこう告げられた。
「あんた漫研やめな」と。
既に漫画の描き手として結果を出しつつあった摩耶花に、漫研は不必要。趣味や遊びレベルの部活争いに巻き込まれて時間を浪費するなと、その人物は指摘するわけです。あんな遊びに付き合うな、と。
更にその人物は指摘する。
「漫画が描けるなら描く場所は選ばない? 選べよ」と。
上達する為、上を目指す為には「あんな部活にいてはいけない」と、辛辣に指摘します。その人物は一つの例として体育会系の部活、ここではコミックで描かれた野球部を例えに出しましょう。
「弱小野球部に十年に一人の天才選手が入ってきたら、みんなやる気が出るかって? あり得ない。みんな身の丈に合わせて楽しくやっていたのに、鬱陶しいと思われるのが関の山」
そう描かれています。
さてこの人物、自身も無駄に時間を浪費した経験があり、それを激しく後悔しています。まあ高校の話なので、高校生ですね。高校生にとっての一年や二年はとても大きい。だからこそ、摩耶花に「部活やめろ。お互いにとってよくない」と、告げたわけです。摩耶花にとっても漫研に残る面子にとっても、よくないと。
ーー簡単に紹介しました。詳しくは書籍、又はコミックをご覧下さい。
□残酷な線引き
あなたが社会人であろうと学生であろうと、皆人に値札を付けているはずだ。付けていないとは言わせない。「気が合う合わない」ですら、値踏み行為と変わらないのだ。
人間というのは自分本位な生き物で、それが自然な姿である。自己犠牲のみで生きている者など存在しない。
先に挙げた野球部でも同じよう、十年に一人の天才など弱小野球部にとっては迷惑でしかない。身の丈に合わせ楽しくやっていたのに、突然「天才」という現実を突きつけられるのだから。野球という特殊性を考えると、この天才が投手なら最悪使い倒され肩肘を壊し、再起不能になるかもしれない。これは絶対転校した方がいい(笑)
さて伊原摩耶花に「漫研やめろ」と告げた人物は、残酷な線引きをやってみせた。かつて自分が後悔した経験を、摩耶花にさせたくなかったのだろう。ま、細かい点はやはり買って読んで欲しい(笑)
□同調圧力。疑似創作グループ。人が人を「低下させ停滞させ低迷させ迷走させる」
くだんの人物は自己の経験から「部活やめなさい」と摩耶花にアドバイスした。さて、私が一話で書いたことを思い出して欲しい。
「そもそも何が問題か理解出来ていない」
「誰も問題点を指摘しないグループに意味はない」
「中身すっからかんの読み合い」
こんな感じだ。全て「創作という観点から見れば」と注釈を付けている。そう正に「質と程度」「身の丈」の問題である。カクヨム攻略なスコアのかさまし、先行者利益は今はどうでもいい。
ちなみに知らない人もいるかもしれないが、私はここ一年休み最近復帰した人間だ。サイト内の知り合いも少なく、増やす気もない。結果的に増え、結果的に減る。それでいいと考えている。
そうして復帰した折、気づいたことがいくつかあった。何人かの人達が既にカクヨムを去っており、結果私の作品のスコアが落ちていたのだ。ただでさえ少ないのに(笑) 感想まで消え、ああ本当にアカウント消したんだと思い知らされた。
そしてもう一つ、これが本題だが「明らか苦手分野に突っ込んだ結果、腕が落ち迷走しているユーザー達」を見かけた。
なぜ?
私は馴れ合いの結果だと判断した。
理由は明白で、スコアに関してはそこそこ稼いでいるからだ。一話にある通り「かさまし」の結果から露出は増えまあまあ星を稼いでいる。感想欄は賑やかで、レビューにもきれいごとが並んでいた。
そんな彼らの近況ノートを訪ねると、こんなことが記されていた。
「コンテストの一次で落ちた」と。
当たり前だ。何言ってんだ。一目見たら誰でも分かる。自作がどの程度のものか「普通」は分かるはずだ。ある程度分かるはずなのだ、自己陶酔でもしていない限り。だが分からないらしい。本気で気づいていないらしい。
なぜ?
これが一話で記した危険性である。自らの得意不得意の把握すら出来ていないのは危険な兆候だ。人はある程度の客観性を持つ。あくまである程度だが、それが出来ていない。
彼らの目的がもはや「サイトでの交流」がメインとなっているのなら、それはそれでどうでもいい。私の知ったことではない。だが一部の人達は「本気で悔しがっていた」私は思う。
「嘘だろ」
そこまで深刻な問題だった。
□エコーチェンバー現象
なろうでいただいたレビューに、この現象が記されていた。言われてみれば納得。そもそもこの手の連中に近づかないので言葉自体すっかり忘れていたが、確かに相似する。
エコーチェンバー現象は「閉鎖空間における同調性の強化」とでも捉えて欲しい。Xなどでお仲間が仲良しこよし、延々「何かの罵詈雑言を並べている」あれだ。対象はなんでもいい。とにかく同調しまくってる奴らだ。
輪の中にいるとこういうことが起きる。だから私は、たった一人のユーザーさんにのみ事実を告げた。
一応これでも読む系企画者。最近はなぜか商業デビューされてる作家さんから「アドバイス求む」と、依頼まで来てしまう始末である。偶然の縁で知り合った仲ではあるが、私なりに応じた。シンプルな問題点だったので役に立ったようだ。対応は大変だったみたいだが(笑)
□アドバイスの難しさ
この商業ベース作品を持つ作家さんは私の意見、指摘を一瞬で読み取った。そして即行動に移し、問題点はある程度解消したらしい。そもそもが解決の難しい問題だったので、ここらは見切りの問題でもある。
またプロデビューする前の作家さんに簡単な指摘をし、その作品がつい最近、8/9発売された。どこの馬の骨とも分からん私の指摘に耳を傾けたのだ。こういうのはとても助かる。話が通じるのだから。
しかし皆が皆、簡単に通じるわけがない。
「馴れ合い読み合い。中身すっからかんの輪の中」にいると、私の指摘がさっぱり分からないということもあるだろう。そもそも私は輪の外の人間だ。読む系企画者の私とて、いきなり知らん人間にアドバイスやら何やら求められてもさすがに困る。だが、お一人だけは正直見ていられなかった。
「誰か指摘しろよ。一瞬で分かるだろ」
という点を、あいつらは指摘しない。
あのお仲間達は指摘しないのだ。
指摘し辛いのはもちろん分かる。
指摘出来るだけの目を持たないなら、そもそも指摘出来ないし。
実力の問題、人付き合いの観点、ただ楽しみ盛り上がりたいだけ。そういうこともあるだろう。
結果、私が指摘する羽目になった。致し方なく事実を述べた。なかなか伝わらないのでかなり重症だったが、向上心があれば一つずつ改善され、まずは実力を取り戻し、得手不得手を把握し、そして腕を上げるだろう。
後は本人次第だ。
□最後に。程度と質を忘れるな
それでも私は2話を記した。
カクヨムの交流は素晴らしいと。
それが目的でも構わないと。
本気でそう考えている。
サイトをどう活用しようが、その人の自由だ。
サークル活動や部活のノリでもいいじゃない。
キャバクラやホストクラブみたいに騒ぎたければそうすればいい。
一円もかからずよいしょしてくれるんだ、いい話である(笑)
このエッセイ、なろう、カクヨム共に多くの感想いただいた。ライトユーザーからカクヨムはあまり使わない方。そしてなぜか万のポイントを持つ方や、商業作品を持つ方まで幅広く私のエッセイが届いたことを嬉しく思う。あなたが楽しく活動することを、私は心からではないが望んでいる。別に無駄に楽しむ必要はない。創作は基本孤独な戦いだからだ。楽しめる時は楽しめばいいし、何事も要領だ。自らの許容範囲と程度に合わせ交流して欲しい。一話にそう記してある。
最後にもう一度記す。
お仲間の質と程度の問題であると。
悲しく残酷な線引きは、決して怠ってはならない。だがしかし、創作だけが全てではない。人を尊重し、相手を自分だと思い接することも忘れてはいけない。突然、
「駄作」
なんて言われたらキレるだろ?(笑)
時間を確保し時間をかけ、苦労して書いたのに酷い言い草じゃないか。決してそんな風に言ってはいけない。Xとかでマイルドに問題点を指摘して欲しい(笑) カクヨムはどこまでもポジティブ路線なのだから。
規約に則りあなたなりのペースで努力することを期待している。
ではまたどこかで。
□と言いたいところだが一つ私事
なろうでこのエッセイの1話が日間1位になった。ありがたい話だ。しかし週間は2位止まりである。理由は明白で「AIにイラスト描かせてみた」という「イラストを掲載しまくったエッセイにスコアで負けた」からだ。
おいこら、ふざけんなw
それお前の力じゃねーだろw
舐めてんのか!w
ーーと、思った人が多かったからかは知らないが、こちらのエッセイ「感想欄は閉鎖されている」なんとも詮無い話である。生成AIに学習されてしまった絵師さんの権利はどこにいった。俺の週間1位まで邪魔しやがって。
とにもかくにも、気に入らない(笑)
気に入らないものは気に入らないw
絵師さんの立場と俺の立場どうしてくれる!
俺は許さんぞ!w
締めが私事で申し訳ない。
今度こそ終わりです。ではまたどこかでお会いしましょう。
・常設エッセイ
カクヨム歴2年ぐらいな奴の呟き
カクヨムの圧倒的快適さの意味vs創作という観点 文字塚 @mojizuka
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