第9話:男子会 2

 ハーレム罪のこちょこちょの刑が終わると、僕たちは改めて椅子に座り直した。


 っていうか、祐希くんの隣ってことには変わらないから、まだこちょこちょの刑には構えておかないとだけど……!


「あ、じゃあ次僕からいい?」


 すると、今度は早乙女くんが僕に話しかけてきた。


「あ、うん! 何?」


「付き合いあるのが今週からってほんとなの? さすがに仲良すぎる気が……」


「あ、それ僕も思ってた」


 早乙女くんの質問に凪くんも賛同する。祐希くんも頷いてるのが、ちらっと視界に映っているから、3人とも同じことを思っているようだ。


「え、いやさすがにそれはないよ。今は、うーん……大体2年ちょっとの付き合い、かな?」


「「「え?」」」


「え」


 ちょ、なんかめちゃくちゃ驚かれてるんだけど……。


 僕は思わず、3人とは別の意味で驚いた表情を浮かべた。


「え、だって月曜初めて会ったって……」


 あ、あー!!! そういうことか! もしかして、ずっとめっちゃ勘違いされてたまま関わってくれてた……?



 僕は、きりとえいなとどういう関係なのか、あときりとえいなの事情を、3人が知っても問題ない程度でほんの少しだけ伝えた。


 祐希くんたちとは、これからも友達でいたいし、何も知らずにきりとえいなと話してたら、2人が嫌な思いするかもだしね。



 そして、すべて話しおわり──。


「「「やっぱ付き合ってんじゃん」」」


「ちがーーーう!!!」


 もー!! 「ほぼ毎日一緒に通話してる」って言ったあたりから、すっごいニヤニヤしてるなって思ってたらやっぱり……!


 ただ、ほぼ毎日5時間くらい一緒にゲームしてるだけなのに……。


「まぁそれは一旦置いておくとして」


「置かずにゴミ箱に捨てて、その発想を無くしてほしいんだけど」


「2人のことは気にすんな。中学不登校だからって態度変えたりしないし、友達なのには変わりねーからな!」


 祐希くんはそう言って、ニッと笑う。凪くんと早乙女くんも笑いながら頷いてくれる。


 高崎高校、あったかいよ……! みんな心広くて、いい子──



「それはそうと、あの2人ってめっちゃ百合だよな」


「「「おい」」」



 急にそこらへんの男子高校生がするバカ話をしだした祐希くんに、僕たちは同時にツッコむ。

 いや、そこらへんの男子高校生であることには変わりないんだけど。


 祐希くん……あの感動的な雰囲気はどこへ……。


 凪くんと早乙女くんを少しは見習──



「──祐希。そういうのは、いつも通り蒼汰くんがいないところで言わなきゃ」



「「おい」」



 1人だけ違うことでツッコんでいた凪くんに、僕と早乙女くんがツッコんだ。


 凪くん……そこじゃないんだ……。


 ほら、早乙女くんも何か言って──



「あの2人もだけど、紗良も含めての3人百合でしょ?」


「おい」



 そうじゃないんだよおおおおおおおおお!!!

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