お誕生日特別短編集！

2024年 10月 ほしレモンさん・つきレモンさん

檸檬ってさ、酸っぱいよね。

食べた途端に酸味を感じるし。

でも、どこか甘いんだ。

それって私の人生みたいだなって思う。

だから、私は檸檬が大好きだ。

いつも、自信がなくてさ。

私のこれからの人生なんて、ずっと暗いんだろうなって思ってた。

いつも人の機嫌をうかがって、愛想笑いを浮かべてさ。

ずっと酸っぱいまま生きるんだろうなって思ってた。

――なのにね。

「大丈夫だよ。君は、凄いよ」

その一言に、救われちゃったんだ。

心がときめいたの。

心臓がばくんばくんって音を立てて、頬が赤く染まって、君から目が離せなくなった。

――この心情、なんて言うの？

恋、初恋？

わかんないよ。

誰か、名前をつけてよ。

初めて、私の人生に違う味がもたらされたんだ。

その味はとっても甘くて、ちょっとだけ酸っぱかった。

この恋は、酸っぱいのかもしれない。

私はまだ君のことを好きになったばかりで、なんにも知らないと言っても過言では無いから。

でもね、今、すっごく甘いよ。

心がとろけそうで、毎日が楽しい。

君のおかげだよ。

君が私に声をかけてくれたから。

違う味をくれたから。

世界が、変わったんだよ。

君に出会って月日が経ちました。

この心情を伝えたい。

でもさ、勇気がなくて。

だから、これだけに思いを込めました。

伝わって欲しいな。

そう思って、私は懐からひとつのものを取り出す。

そして、君の机にそれを置いた。

この気持ちが君に伝わることは無いかもしれない。

かもしれない、じゃないか。

ないだろう。

だけどね、これで私はこの気持ちに区切りをつけるよ。

甘い味は、もう味わったから。

飽きたなんて一言では済ませられないけれど、色んなことがあったんだ。

もっと、私は冒険したい。

1つの道になんて縛られない。

さぁ、旅に出よう。

違う味を、求めて――ね？

ほしレモンさん

https://kakuyomu.jp/users/hoshi_lemon

つきレモンさん

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お誕生日、おめでとうございます！