a cherry tree in leaf

Lunation~ a cherry tree in leaf ~葉桜


◇◇◇◇


情けないな……と、創は少しだけ憂鬱な気分となった。



ベッドに寝転がりながら朔良の手紙を読んでいた。


窓に目を向けると、桜の花弁は数を減らしていき葉桜となっている。



そして視線を朔良の手紙の最後の方の文に戻す。



『またまた長くなっちゃったけど最後にこれだけ書かせて!大事な報告!


実は……


内定ゲットだぜー!!ピッピカチュー(笑)

なんちゃって


ソウの嬉しい報告も待ってるよ』





創はそのまま自分の片腕で両目を覆った。


自分の本当にやりたいこともわからない。


勇気も自信もない。


そんな男を欲しがる会社が一体何処にあるというのだろうか。



ゴールデンウィークを過ぎても創は何も変われないでいた。



大人になりたくないと言いつつも、朔良はどんどん先へ進んでいっているような気がする。



『自分に自信を持って、5年後の自分の未来を思い描ける』



それが内定貰える条件なのだとしたら、創は一生就職出来る気がしなかった。


焦りが募る。



自分がわからない。


明日がわからない。



……一ヶ月後に朔良と会うことしかまだ決まっていない。

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