letter

Lunation~ letter ~手紙


◇◇◇◇


明けましておめでとうございます


とか言っても、お正月に会ったけどね

(一瞬だったから、あんなの会ったうちに入んないけど笑)


春休みになったら、またソウの家に遊びにいきたいな~♪


私の方の大学は2月になったら春休みだし、日程に関してはこのあとメールでもするよ!


って、これ届く前にメールついちゃうから

ココに書いても意味ないか(爆)



そういやなんで私達って手紙のやり取り始めたんだっけ?








はじめは手紙を読んで、声には出さなかったものの思わず笑った。



3日前のメッセージのやり取りで、来月の中頃に会う約束はこの手紙が来る前から既に決まっていた。


笑ったのは、従妹の朔良さくらが、手紙を始めたキッカケを忘れていたからだ。



何故、言い出しっぺが忘れたんだと創は笑った。



創は覚えている。


朔良が『言いたいことをメッセで打つと超長いから笑』といきなり手紙を寄越してきたのだ。



しかし創はすぐにこの手紙のやり取りを気に入った。


絵文字やスタンプよりもメリハリに走る朔良の字が朔良のテンションに似合っているというか、よりわかりやすく伝わってくる。


時々、隅に描かれている朔良のイラストとかも創は気に入っている。



1ヶ月につき、お互い一通ずつのペースのやり取りだが、途切れることなく今も続いた。


手紙の内容は近況だったり、中学でやってた部活とか、高校の時の友達の話とかである。


これで距離が急速にゼロになるわけじゃないのは二人ともわかっているけど、二人ともこのやり取りを気に入ってしまったのだから、ゆったりとした時が流れていった。

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