this morning

Loose~ this morning ~今朝の話


創は自分でも気付かないうちに、疲れていたらしい。


次に目を開けたら、すでに朝だった。



朝になったら、昨日の大雨が嘘みたいにカラッと晴れていた。



「ソウ?起きて?」



目を開けたら、朔良が寝ている創の上に覆い被さっていた。



創は開けた目をもう一度閉じて見なかったことにした。



創はそのまま頭の中を整理させた。



そういや朔良が昨日泊まったのだ。



「ソウー?起きてーおなかすいたー暑いー」



朔良はそう言ってはそのまま重なるように体重をかけて創の上にうつ伏せに寝た。



「暑いなら離れてよ…てか重い」



重さよりも朔良の体の柔らかさに意識が集中したが、それにも目を閉じた。



「あ゛つ゛い゛~」



そのくせ朔良は創の上を退こうとしない。


こっちも暑いし重いし理性も変になりそうで良いことなしである。


仕方がないので朔良を退かそうと捕まえて、体を回転させてひっくり返した。



「きゃっ!!」


「──ったく。そこにいたら起きれないだろ…」



創は言ってから、自分の状況に気付いて固まった。



回転させたことにより、今度は創が朔良に覆い被さっている形となっていたのだ。



創はすぐさ朔良から離れた。


何故か反射で、顔の真横に両手を上げた。


何もしませんよのポーズ。



朔良も体を起こしてこちらを見た。



「ア…ハハ、ごめんごめん!!ソウの寝顔も久々だったからね、つい!!」



朔良は気にしてないフリで笑った。



ラブコメやギャルゲーじゃあるまいし、一晩過ごした従姉妹と変な感じにはなりたくなかった。



創は立ち上がって昨日のコンビニの袋を指差した。



「ビールと一緒にパン買ってたから、お腹すいてるなら朝ご飯それにして」



創はそう言ってトイレへと入った。



「……で、ソウは今日どんなご予定?」



トイレから出ると、ビール缶を片付けたテーブルの上にさっそくパンを広げて、どれにしようか選んでいる朔良が聞いてきた。



「どんなって…昨日も言ったけど、午後から大学がある」



朔良が選んでいる中を創はひとつ取って袋を開けた。



「ちょっとー!!私選んでる途中なのにー!!」



創は聞こえないフリして、かぶり付いた。


大体、家主は創であり、このパンを買ってきたのも創で、大学だって午後からだからいつもならもう少しゆっくり寝られたわけで…


それを朝早くに起こした朔良に文句を言われる筋合いはない。



ぶつくさ言う朔良はしぶしぶ残ったパンからひとつ選び、食べ始めた。



「あーもー…あついー!!この部屋、冷房ないの?」



そう言って朔良は創に背中を預けるようにもたれ掛かった。



「ビンボー学生の部屋にそんな良いもんない。……てか暑いなら、くっつかなきゃいいじゃん」


「あ゛つ゛い゛ー!!」


「…サクちゃん、重っ」



素直な訴えをしたら朔良に横腹を殴られた。


「う゛っ…」と呻き声を上げたら、朔良はケラケラ笑った。


朔良が笑うから創も小さく笑った。

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