Chapter2
第44話
◇ ◇ ◇ ◇
それにつけても。
どうしよう、この展開。
まさか、この俺が、誰よりも先に……修哉より先に、莉奈の花嫁姿を見てしまうなんて。
ヤバイ。
冷静でいられるか、マジで超心配っ。
……っていうか、この事を修哉が知ったら、スッゲー文句言いそうだな……。
いや、でも、莉奈自身の希望だし。
もしかしたら、ドレスの補正が必要になるかもしれないんだから、今、この場でそのあたりは確認した方がいい。
「うむっ」
そうだ、いいんだ。
今、この場で試着させるべきなんだ。
俺は、マリエのプロデュースを任されたんだから、この展開はむしろ当たり前の事で……。
「………」
でも。
そんな理由であっても、新郎である修哉の気持ちとしては……やっぱり……。
「いや、いや……」
そんな事を言ったって、もう、莉奈はその気で、着替えちゃってるだろうし。
とにかく、背中のボタンはきちんと留めてやらないと。
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