第18話
「だよな~。だから、俺、修哉はケバいオネーサンとよろしくやってるから、慰めなくて大丈夫で~す、って言っといたけど……それで良かった?」
ニヤリと笑って訊ねれば。
「……ああ。上出来だ」
修哉は、満足げに笑みを浮かべ、気怠るそうに黒い上着を脱いだ。
その拍子に。
何かが修哉の上着から離れ、バシッ、と音を立てて足元に落ちた。
床を叩いたのは、銀色の……チェーンのようなモノだった。
なんだ?
シルバーアクセ……?
いや……ただのアクセサリーじゃない。
銀の……十字架だ。
表面には繊細な彫刻が施され、十字の中央に瑠璃色の石の飾りが付いた……クロスペンダント……?
「これ……お前の?」
手を伸ばした修哉よりも僅かに早く、俺はそれを掴み取り、まじまじと眺めながら修哉に訊ねた。
「返せ。遺品だ」
言われるままに返したものの、遺品と解り、視線がそれを追ってしまう。
「………叔母様の……?」
「他に誰がいる?」
俺の間の抜けた質問に、修哉は鼻でせせら笑って切り返した。
確かに。
でも。
じゃあ。
叔母様は……本当に……?
「……まさか本当にキリスト教徒だったなんて……」
正直思いがけなくて、本音が口をついて出るのを止められなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます