第18話

「だよな~。だから、俺、修哉はケバいオネーサンとよろしくやってるから、慰めなくて大丈夫で~す、って言っといたけど……それで良かった?」





ニヤリと笑って訊ねれば。





「……ああ。上出来だ」






修哉は、満足げに笑みを浮かべ、気怠るそうに黒い上着を脱いだ。







その拍子に。







何かが修哉の上着から離れ、バシッ、と音を立てて足元に落ちた。







床を叩いたのは、銀色の……チェーンのようなモノだった。







なんだ?






シルバーアクセ……?







いや……ただのアクセサリーじゃない。







銀の……十字架だ。







表面には繊細な彫刻が施され、十字の中央に瑠璃色の石の飾りが付いた……クロスペンダント……?







「これ……お前の?」







手を伸ばした修哉よりも僅かに早く、俺はそれを掴み取り、まじまじと眺めながら修哉に訊ねた。







「返せ。遺品だ」






言われるままに返したものの、遺品と解り、視線がそれを追ってしまう。






「………叔母様の……?」






「他に誰がいる?」






俺の間の抜けた質問に、修哉は鼻でせせら笑って切り返した。





確かに。






でも。






じゃあ。






叔母様は……本当に……?






「……まさか本当にキリスト教徒だったなんて……」






正直思いがけなくて、本音が口をついて出るのを止められなかった。

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