第14話
縁談が来たのは修哉が中学に入学した後だったらしいけれど、このご令嬢は、それ以前から修哉に熱をあげていたという。
この女が……桐堂沙耶花。
年齢は、確か、15歳だったか……。
こっちも、また、さっきのケバいオネーサンに負けず劣らずの老けっぷりだ。
喪服のデザインの所為か、落ち着いている雰囲気の所為か、日本人形みたいなあっさりとした顔立ちだからか……妙に大人びて見える。
そして、この、端々に滲み出ている、相手を見下した感じが……なんとも下劣。
単に気取ってるだけで、淑女としての品格がまるで感じられない。
「桐堂家の方が、こんなところで何を?」
「婚約者として、修哉さんをお慰めする為に参りました。修哉さんは今どちらに?」
おいおい……スゲーな。
もう婚約者気取りかよ?
父さんの話では、縁組の申し出があっただけで、確定はしていないはずだけど……。
厚かましくて……不愉快な女。
こんな女と一緒に修哉を待つなんて、冗談じゃない。
さっさと追い払うに限る。
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