第9話
「俺は、コイツの従兄」
仕方なく自己紹介すると、ケバい女は眼を丸くした。
「へー。あんまり似てないけど、シュウのイトコだけあるね。すっごい美形」
「どうも。……オネーサンは修哉の彼女?」
「やだ~、違うよ~。ただの遊び相手」
そう言ってイタズラっぽく笑う彼女は……やっぱり幼さを隠しきれてない。
この女、絶対、18歳未満だ。
とりあえず、中学生相手に遊んでるのが成人してる女じゃなくて良かった……。
相手が大人じゃ、場合によっては金が絡んでる事もあるから厄介だし。
社会的に……というか、倫理的にも、色々マズイし。
いや、中学生と高校生の異性交遊だったらマズくない、と、言うわけじゃないけど。
仮にこいつらが不純な関係でも、それがお互いが合意の上でのことなら、最悪、両家の保護者同士が揉める程度で収拾がつくだろう。
まあ……あの榊家当主が修哉の異性関係に関して、親らしい切り口で干渉するとは到底思えないし。
逆に、榊家相手に喧嘩を吹っかけたり、ゴネたり揉めたりする保護者も、そうそういないだろうけど。
「ねえ、イトコく~ん♪ヒマなら遊ばない?私の友達、紹介するからさ~」
「……遠慮しとく」
苛立ちに眉をひそめて即答した俺に、彼女は、媚びていた表情をキッと強張らせ、
「ノリ悪~。……シュウ、行こ」
拗ねるような声で修哉に促した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます