第9話

「俺は、コイツの従兄」





仕方なく自己紹介すると、ケバい女は眼を丸くした。





「へー。あんまり似てないけど、シュウのイトコだけあるね。すっごい美形」






「どうも。……オネーサンは修哉の彼女?」






「やだ~、違うよ~。ただの遊び相手」






そう言ってイタズラっぽく笑う彼女は……やっぱり幼さを隠しきれてない。






この女、絶対、18歳未満だ。






とりあえず、中学生相手に遊んでるのが成人してる女じゃなくて良かった……。






相手が大人じゃ、場合によっては金が絡んでる事もあるから厄介だし。






社会的に……というか、倫理的にも、色々マズイし。






いや、中学生と高校生の異性交遊だったらマズくない、と、言うわけじゃないけど。






仮にこいつらが不純な関係でも、それがお互いが合意の上でのことなら、最悪、両家の保護者同士が揉める程度で収拾がつくだろう。






まあ……あの榊家当主が修哉の異性関係に関して、親らしい切り口で干渉するとは到底思えないし。






逆に、榊家相手に喧嘩を吹っかけたり、ゴネたり揉めたりする保護者も、そうそういないだろうけど。






「ねえ、イトコく~ん♪ヒマなら遊ばない?私の友達、紹介するからさ~」






「……遠慮しとく」





苛立ちに眉をひそめて即答した俺に、彼女は、媚びていた表情をキッと強張らせ、





「ノリ悪~。……シュウ、行こ」





拗ねるような声で修哉に促した。

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