第111話

「ケイ?」




『この身が………呪わしい』




微かな声だけが聞こえているだけで、ケイの姿が見えない。




「えっ、やだ、嘘っ、何なのっ?……ケイ?……ケイ、どこっ?」




私は慌てて立ち上がり、光の霧の中をかき分けるように手を動かしていた。





かき分けても揺らがない光はゆっくりと収縮して……。





まるで小さなブラックホールに吸い込まれていくように、照度を落としながら消えてしまった。





私は眩惑された両目を瞬かせながら、よろめく足で電気ストーブに駆け寄っていた。





その瞬間、頭に浮かんでいたのは、ストーブの故障。





けれど。





ストーブは何事もなかったように赤く灯り、私の身体を熱く照らしていた。

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