第7話

幼稚園のバザーなんて大したことはない、って高を括っていたけれど。




たどり着いた会場は、思いがけず盛大だった。




グランドを囲むようにはられたテントの中には食品類。




地面に整然としかれたシートには、家庭用品や衣類や雑貨、小型の家電機器まで並んでいた。




チラシをよく見ると、協賛として自治会やら商店会やらの名称が幾つか書いてある。




幼稚園のスタッフや父兄だけでなく、そういう団体からも出品されているなら、この品揃えの豊富さにも思わず納得だ。




お客さんも沢山いて、フリーマーケットのような活気がある。




それも、親子連れとか、中高年のおじさんおばさんの姿ばかり。




陽気に流れるジングルベル。




テントを飾るクリスマスリースとささやかなイルミネーション。





なんか…平和な光景。




カップル率が低いというだけで、今の私にはオアシスに感じられる。




何かと物いりの年の瀬で沢山の買い物は出来ないれど、殆どが新品みたいだし値段も手頃だし。




ちょっとテンション回復してきたかも。




私はビニールシートの上に並んでいる雑貨達に視線を巡らせた。

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