第6話

「一般の方も大歓迎なんです。お時間あったら是非っ」




そう、朗らかに言われて、思わずチラシを受け取ってしまう。




手作り風のチラシには、大きく『クリスマス チャリティーバザー』と書いてあった。




『家庭用品、衣類、手作りアクセサリーもあります』

……なるほど。




でもって、『収益金は養護施設に寄付』………と。





今の私の気分的には、陽気なムードを醸し出す場所は避けたいけれど、チャリティーとなると話は別だ。





毎朝の通勤時には、この幼稚園の園児達の無邪気な声や、先生達の溌剌とした挨拶の声に、しばしば元気を分けて貰っているし。




そのお返しと言ってはナンだけど、こういう形ででも協力できるなら…。




タオルや洗剤やちょっとした雑貨を買うぐらいなら、そんなにお財布にも響かないしね。




「……じゃあ、せっかくなので、ちょっとだけ」




「どうぞ、ゆっくり見ていってくださいね。会場はあの建物の裏のグランドです」




私は父兄会の腕章をつけた女の人達に迎えられながら、煉瓦風の外観の園舎へと向かって歩き出した。

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