第21話

「くせになりそう」




俺は、心の中で白旗をあげながら、肩をすくめて呟いた。




「も、もう、お終いっ。帰って」



そう言って、勢いよく立ち上がる瑠羽とは裏腹に、俺は、そのまま崩れるように、ベッドの上に倒れこんだ。




理由は2つ。




あまりの心地よさに全身が脱力してしまったから。




それと。




まだ帰りたくない‥‥‥というか、このまま居座りたいと、本気で目論んでいるから。




「気持ちよくて動けない」



「は?」



「瑠羽の所為だから。責任とって」



「な、何言ってんのよ。また、そんな、いいがかりつけて‥‥‥」




立ち上がって俺を見下ろしている瑠羽は、呆れたように両目を見開いた。



窘めるように言うけれど、その声は困惑に揺らいでいる。

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