第17話

あ~あ。




無理矢理目覚めさせようとしたら、棘の森に籠もっちゃったよ。




しかも、囲んでいる森の棘が一気に大繁殖だ。





多分、瑠羽にとって初めてのキスで。





初めてなのは、俺も同じだけど‥‥‥‥‥俺の方は、本能が先走って、意思も確かめずシたいようにシちゃってて。




そう考えれば、確かに、酷い事、‥‥‥したのかもしれない。




でも、瑠羽だって悪い。




あんないじらしい事を言うから。





そもそも、普通の彼氏と彼女みたいに、って、気持ちが定まってるなら、これぐらいの覚悟もしておけっての。




恋に恋する女の子、って歳でもあるまいし‥‥‥一体、いつまで夢見て眠っているつもりなんだよ。





「いきなりして悪かったけど‥‥‥俺、瑠羽が初めて彼氏扱いしてくれたから‥‥‥嬉しくて」




そう。




俺は嬉しかったんだ。




嬉しくて、愛しくて。




だから、セーブなんて出来なかった。




「瑠羽には分からないかもしれないけど、俺としては、まだ物足りないぐらいで」




さっきの感触を思い出しただけで、悶え死んでしまいそうなのに。




それも、完全な独り善がりだったなんて‥‥‥。




虚しいよ‥‥瑠羽。

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