第14話

足元に気を配りながら瑠羽の身体をベッドの上にそっと下ろすと、瑠羽は、




「もうっ!いきなり、なにすんのっ?」




と、非難めかしい声を上げて俺を睨み上げた。




俺は、そんな瑠羽に向かい合うように、ベッドの上に片膝をつく。




「このスペースがあれば充分。色々出来るよ?普通の彼氏彼女らしいこと」




「‥‥‥っ」




何も言えず見上げる瑠羽の、その狼狽えた眼が、俺を映して‥‥。





ああ、



もう、



無理。





俺は、瑠羽の言葉も待たず、彼女の唇を唇で塞いでいた。





欲しい。




瑠羽が。




この唇の柔らかな感触も。




鼻先をくすぐる甘い香りも。




この、想像以上の‥‥‥生々しい快感も。




「んっ」




苦しそうに小さくうめくけど、やめてなんかやらない。



こんなに待ちわびていて。



微かに触れるだけのキスなんて、あり得ないだろ?



こうして求めても応えきれずにいる瑠羽の、この拙い反応が痛々しい。



だけど、それは、瑠羽が情欲に目覚めていないから。




だから、このまま、目覚めさせてしまえばいい。




続きを求めずには、いられなくなるように‥‥‥。

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