第5話

そんな中でも、内心では瑠羽も強引に攻められる事を期待してたりして?なんて、思う時もあった。




時々、すっげー無防備でソソる顔してみせたり、不用意に優しくしたり、甘かったりするから‥‥。




誘ってんの?って、責めてやろうって、何度も思ったけど‥‥‥。




でも、多分、アレは、無意識で。




無意識でああだから、タチが悪くて。




結局。




無理強いしたら、瑠羽が心を閉ざしてしまって、二度と触れる事なんてできなくなっちゃうんじゃないかって。




そう思うと怖くて。




俺は、瑠羽の手の中で、満たされているフリをして、この薄暗い欲望をねじ伏せてきた。







ああ。




そういう意味では、瑠羽は確かに眠り姫のようだ。





棘の森の奥に籠もって、無垢な寝顔で眠ったまま、目覚めようとしない。







あんな昔の事を急に思い出したのも、もしかしたら‥‥‥。




瑠羽を目覚めさせる時が来た、っていう啓示かも。




‥‥‥‥‥あくまでも、俺にとって好都合な解釈だけど。

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