第4話

今ふり返ってみても‥‥‥律儀にしきたりを守ったりして、我ながらホント、我慢強かったと思う。




今まで、何度も、瑠羽に抱きついたり、膝枕してもらったりしていて、その度、理性がブッ飛びそうになるのを堪えるのに必死だった。




独りきりの時は、妄想の中で瑠羽をめちゃくちゃに抱いて‥‥‥それで、どうにか欲望を諌めて、やりすごしてきた。




これで、瑠羽さえもう少しその気になっていてくれれば、婚約までは無理だとしても、キスの1つや2つは出来ていたと思うけど。




予想を上回る頑なさで、俺の口説き文句をスルーするんだよね。これが。




膝枕の時にしても、優しく頭を撫でたり、子供を寝かしつける時みたいに背中を静かにさすったりしてきて。




でもって、不覚にも、3回くらいマジで寝かしつけられちゃった事もあったりして。





こっちは不健全全開な気持ちで抱きついてるのに、受け止める側の瑠羽の反応が呆れるぐらい健全だから。





不本意ながら、俺は、禁欲的な2年4ヵ月を送らざるを得なかったんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る