第15話カジキ料理

ダメ出しを食らった俺だが、教えたのは事実。

とりあえずカジキにやらせてみたのだが


「食材は洗って、そして皮とか根っことか切って!」

「火はしっかりと確認して!」

「破再!見てるだけじゃなくて手伝う!」


カジキは絶望的なほど分かっておらず、危うく火事になる所だった。

数時間ほどカジキが作るのを3人でサポートして、やっと完成した。


『ふふん♩僕は完璧な料理を作れるようになったのです!』

「そうだね」

「火事にならなくてよかった」

「まあ、初めてでここまでできたのはすごいですよ〜」


所々焦げていたとはいえ味はしっかりとついていて美味しくはあった。

赤黒……次からはお前が教える番だ。頑張ってくれ。

俺は食べ終わると目の前に歪みを出し


「それじゃ、なんかあったら呼べよ」

『主人またねー!』


カジキに別れを言って歪みをくぐるのだった。


———•••———

突然破再の目の前が歪んだと思ったら破再がそれをくぐって消えてった。


「なにあれ」

『主人の住んでる場所とつながる歪みだよ〜。僕たちが住んでた場所よりより深いから普通の人だといけないかな?

まあ、自分の存在ごと消したりすればいけるかもね〜』

「ヒーローや、魔法少女でも?」

『赤黒は行けると思うよ〜。行った後死んでも知らないけど。あの空間に僕は行ったことないから深くは知らなーい』

「そう」

『それにしても赤黒って変身してる時は少し性格変わるんだね〜。わしゃわしゃ』

「撫でるな」


突然撫でてきたカジキを離す。おい、三川その顔はなんだ。なんで残念そうな顔をしてるだよ。


「とりあえず、当分の間私か三川がいなければカジキは料理禁止」

『分かった〜』

「本当にわかってる?」

『わかってるって〜』

「まぁ、極力私がいるようはしますので」

「頼んだよ三川」


まぁ、三川がいれば火事とかの心配はないか。

そういえば今日のこと三川と話し合わないとか

私は魔法を解いて元の姿に戻る。

体を伸ばしながら


「そういえば三川。大量の魔法が使われた痕跡のある場所があったから今度確認お願いしていいかしら?」

「いいですよ〜。いっそのこと今行っちゃいますか?」

「そうね。早い方がいいだろうから行っちゃいましょう」

『僕も行く!』


私たちの話を聞いていたカジキが行きたいと言ってくるが


「流石にダメよ。これは仕事だから」


私がそういうと


「いえ、行かせましょう。カジキさんは神の眷属ですからよほどなことがない限り問題はないですし、もしかしたらカジキさんが何かに気づく可能性もあります」

『僕、魔法に関しては主人ほどじゃないけどいっぱい知ってるよ〜。ここ4000年間に使われた魔法のほとんどは知ってるから』

「いや、それで「先輩。カジキさんのことを可愛がるのはいいですが、たまには外に出すべきです。それに私と先輩がいるのに危険な目に遭うならそれこそAランクぐらいしかないんですから」………分かったわ」


渋々行かせることを決めるが、このときのカジキを行かせる選択を取ったのは正解であったと理解させられるのだった。


———•••———

魔法省を出て、すぐに現場に向かったが


「三川、カジキには見せない」

「分かってます」

『なんで〜!僕も見たいんだけど〜!』


ローブを着た人同士が殺し合っていた。

あたりには血が飛び散っており、所々に倒れたまま動かない人までいる。

私はすぐさま黒縄を出現させ大量の人を縛るが縛った者同士がお互いを噛んだりするため、1人1人を隔離する必要がある。

三川はあたりには大量の拘束魔法を展開して人の動きを止めながら魔法省に連絡を送ってくれている。


「ちっ」

「先輩!舌打ちはダメですよ!」

「カジキに見せないよう集中して!」


こいつら私たちのことを気にしてない?

さっきから縛ったりしてるのに無反応なのはやっぱり操られてるから?


「三川!最近捕まえた、神、信仰、催眠、魔法」

「いましたけど、捕まってるはずですけど〜!って、危ないな〜」

「私たちも対象に入ったか」


先ほどまで気にしていなかった私たちに攻撃を仕掛けてくるってことは術者がここにいるのか?

一人一人を2人で拘束していると


『全員止まれ』

「「!?」」


カジキがそう言った瞬間私たちの体が止まった。他の人たちの体も止まっているが


『はあ、こんな程度を僕に見せたくないから隠してたの?それにしても主人の魔力まであるし』


カジキは三川から抜け出すと私の方に来て


『黒縄借りるよ』


カジキが私の黒縄に触れ


『主人、私様、セキュリティ解除をお願いするよ』


カジキの目の前に歪みが現れそこから白い手と黒い手が出てくる。

白い手がカジキの体に触れるとカジキの体が元の姿に戻り、黒い手が触れるとカジノ体が黒くなり黒縄がカジキに吸い込まれていく。


『十分だけだぞ。障害を停止させろ』

『ありがとう、マスター』


そして、カジキがそう返すとカジキの全身を覆うように魔法陣が展開され、そこから私の黒縄が飛び出し、人を拘束していくのだった。



———

投稿遅くなってしまって申し訳ないです。

一週間以内には次の話投げます。

誤字とかあったら報告してくれると助かります。

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