第8話青鉛筆
「危なかった」
俺は暇すぎたので適当に街中を歩いていたが、今まで見たことないくらい高い建物があったので入って見たらクロノワールのボスがいて危うく捕まるところだった。
フードを深くかぶり顔を見にくくしてたのとそこにいた事を破壊したから問題はない。
まあ、ついてきたとしてもわかるから意味ないんだが。
歪みから出てみると流石に立ち去ったのか2人はいなかった。
「ふいー。それにしてもここ最近やけに魔力が溜まるな」
魔力は自然と体にたまるのだが、呼吸と同時に少量だが排出される。
自分呼吸必要ないし、今も魔力を使って変身してるからここまでたまらないはずなんだけど。
魔力だが、体内に溜めすぎると魔力に体が適合してしまって、運が悪ければ不老になってしまうことだってある。人によっては喜んでいる人もいるが、表には出ていない事なので一般の人は知ることすらないけどな。
「それにしても魔法省か。まあ、37年も経ってるんだから増えててもおかしくないか」
建物から出て適当に歩いているが特にやりたいことがないな。
金はあるとはいえ、無駄高いできるほどあるわけじゃない……!?
あっ、アレは今となっては数が少なくなってしまっているゲームセンター!?
「行くしかないでしょ!!」
俺は走ってゲームセンターの中に入っていくのだった。
———•••———
「これ、前世で遊んでたやつ!」
ゲームセンターに入り二回の音ゲーのコーナーに行くと転生前にやっていたゲームがあった。
歪みから財布を取り出し千円札を両替してプレイしようとすると
「どけ!」
隣にある格ゲーコーナーに向かう男性に背中を押された。その時手に持っていた百円玉が床に転がってしまう。
まあ、許してやろう。それよりさっさと拾ってプレイしないと。
拾い終わると九百円しかなく、ぶつかった時にどこかに行ってしまったらしい。だが、室内が結構暗いので見つけるのに時間がかかるだろうから見つけるのを諦めプレイしにいくのだった。
「ふー、楽しかった」
九百円で27曲できるの最高すぎる。前世の曲はなかったがそれに近しい曲とかはあったし、知らない曲でも楽しむことができたからいいんだ。
一回に降り、クレーンゲームが見えるが流石にこれ以上の無駄遣いは避ける為千円を両替機に入れクレーンゲームに行く?
「あれ、帰るつもりだったんだが」
まあ、両替してしまったから使わない訳には行かないよな!
手に両替した金を持ちどれかいいもがないか歩いていると
「あっ」
ドン!
また人とぶつかってしまった。ぶつかった結果手からお金が落ちたが幸いそこまで転がった音はしなかった。
ぶつかった相手はすぐに立ち去るとそのまま店の出口の方に歩いて行ったので落としたお金を拾うと
「また百円たんない」
さっきぶつかった人との顔を思い出すと
「最初にぶつかった奴の近くにいたやつか」
最初の百円も今回の百円もおそらくぶつかった時に持っていったのだろう。
それより早くクレーンゲームでもして心を、心を……やっぱ普通にイラついたので手を自分の胸に当てる
『破壊』
そう呟くと自分の手の中に二百円が返ってくる。
それを確認した俺は
「ひひっ!人に悪さするのはよくないことだよな!」
顔がにやけるのを堪えながらクレーンゲームを遊ぶのだった。
———•••———
「いやー、楽しかった!」
ゲームセンターをでた俺は帰ることはせず歪みを使っていろんな場所を巡っていた。
東京のワン公前?前世でいうハチ公前か?に着くと観光客などがたくさんいた。
人が多く俺の体は人の波に流されてどんどん元いた場所から動かされるが行きたい場所もないので特に抵抗せずに人の流れが緩やかになるまで待つ。
人に流されてついた場所はどこかの駅の前だったが覚える気がないので確認はしない。
「そろそろ帰りますかね」
体を伸ばしながらスマホの時間を見てみるともう5:30ぐらいだったので人気のない場所に向かう。
「一応、見られないようにしないとだからな。権能もそんなぽんぽん使えるものじゃないし」
路地裏に入ったぐらいで歪みを出そうとすると急に背中に何が当たり体が痺れる。
と言っても俺に効果はないんだが……とりあえず振り返りどんな人かを見ようとしたら今度はバットで頭を殴られた。
コイツら俺のナイスボディに何しやがる。いや、いまは幼女形態か。余計こいつらヤバいな。
とりあえず逃げることだけを考えて人通りの多い方に向かおうとしたが向かった先にローブをきた人が俺に向かって火の玉を飛ばしてきた。
「魔法まで使うとかどうなってんだこいつら!」
火の玉を避けるが建物にぶつかり建物が燃え始める。それを見たとしても俺のことを襲ってくるあたり俺のことを目的としてるのか?
気づいたら周りにローブをきた人たちに囲まれており、どうやって逃げるかを考えていると
「お前たちまだ終わらないのか!」
ローブの人たちの間を通って神官姿の男が出てきた
「とっととあの方に生け贄を捧げねばならぬと言うのに!なぜ子供の1人も連れてくることができないのですか!」
なんかペラペラ喋ってくれるけどもしかして悪の組織を崇拝してる奴らか?
でも今穴は最初の穴以外ないからそれもありえないんだが
とりあえずあの男気絶させれば逃げれるだろ。誰も喋ってないあたり洗脳系の魔法使ってるだろうから
「じゃ、バイバイ」
「はえ?」
男が周囲の人たちに色々言っているうちに距離をつめ腹をおもいっきり蹴る。
男は俺に近づかれてたことに気づかなかった為守ることもできずにそのまま壁にぶつかって気絶した。
ピーポーピーポー
おそらく火事に気づいた人が通報したのだろう。サイレンの音が聞こえた為俺は周りを気にせず路地裏の奥の方に逃げていくのだった。
———•••———
男達から逃げることができた俺は遠目から燃えている建物をマンションの屋上から眺めていた。
火は魔力によるものなので簡単には消えず侵略が今ここであった訳ではないから再生も行われない。
住んでた人達は可哀想だが運がなかったと思ってもらう他……チッ
燃えている建物内を透視していると2つの生命体が見えた。倒れていることからもう意識はないがまだ生きているか。
「鉛筆兵。ここら一体を破壊しろ」
歪みから魔法陣の入っている青鉛筆を四本取り出し落とす。
俺が歪みの奥に立ち去ると同時に鉛筆が床に触れ魔法陣が起動する。
そして過去の遺物達の破壊活動が開始されるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます