第7話見捨てられたもののその後 その2
「どうしましょう、と言うより貴方はどうしてこの世界に?」
「仲間に落とされたからね。多分、私はノーチェに殺されたことになっているだろうけどね」
女王である私を殺したと言えば力が正義のあの世界では王になっていることだろう。ノーチェがどんなつもりで私を落としたかは知らないけど野心はあっただろうし。
「そうですか。すいません電話がきたので出てもらえます?」
「わかったよ。スピーカーにしたかばいい?」
「ありがとうございます。…もしもし今運転中ですので手短にお願いします」
『えっ、ごめんなさい。黒川さんの仕事が溜まってるから課長が呼べって連絡があって』
「……黒川さん?」
「………今向かってますから待っててください。あと、
『わかりましたよ〜。それじゃあ早めにきてくださいね』
「それではまた後で」
アクアレッドがなんか端末をいじると女性の声が聞こえ、またいじるとその声はなくなった。私たちの世界にはない技術だな。水晶で場所は見れても会話はできなかったからこれがあれば革新的な軍事力の増加になっていただろうに。
「もう着いたので話はなかでしましょうか。アクアレッド、私は少しばかり仕事をしてから行くのでその子の登録だけは進めといてください」
「わかりました。本当にありがとうございます」
アクアレッドが私を抱き抱え地面に降ろす。流石に少しは耐性がついたから気絶はしない。それよりも私の住んでた城より大きい建物の方が気になるんだけど。
アクアレッドに手を引かれて(くそ痛い)建物中に入ると人がたくさんいた。何やら焦っている人が多いように見えるが侵略があったから焦ってるのかな?
アクアレッドが受付?とやらに近づきそこにいる人と話しているが机が高くて何も見えない。
あっ、手を離してくれた。すごく手が赤くなっていて痛いが私の今後はどうなるのだろうか?
まあ、よくて拘束悪くて奴隷と言った感じかな?
「なっ、名前は無いって言ってるんだけどどうすればいいかな?」
「では、一旦無記入にしておきますので決まったらまたきてください」
「わかった!ありがとね加奈屋さん」
「いえ、これが仕事ですから」
おそらく話し合いが終わったのだろう。
私の方を向きしゃがんだアクアレッドは
「いやー、申請通りそうでよかったよ。当分の間は私の家に住んでもらうことになってるからよろしくね」
当分の間家に住む。住む。この少女と。しかも初対面でそもそもとしてあの乗り物で初めて会った相手なんだが?
それ以前に拘束とかしないのか?いや、アクアレッド馬鹿みたいに力強かったな。
まあ、雨風しのげる場所にいれるなら断らないんだが、裏がありそうです怖いぞ。
「私の家じゃ嫌だった?何もこの世界についてわかってなさそうだったから私が常識について教えるついでなんだけど」
「そ、そう。とりあえずわかったからこのあとどうすれば……あれ?」
とりあえずアクアレッドの家に泊まるのはいいから了承したら入り口に見覚えのある少女がいた。
とはいえ、私はこの世界で見覚えのある少女なんて私に服を渡した子と幼女を名乗る子ぐらいなんだけど、やっぱ幼女って名乗った子だ。
ここの関係者なら人を呼んでくれてもよかったのでは?
幼女(ゼロ)は私のことに気づいてないのかそのまま横を通り過ぎようとしたところで私が手を掴むとこちらを向いた
「なに………いや、本当に誰?」
「いや、目の前で埋まってた人だけど」
「?………?…あぁ、クロノワールのボスか」
「「「!?」」」
なんでそのことを!?
アクアレッドも驚いてその幼女のことを見てるしちょうどこちらに来ていた黒川さんも聞こえてたのか驚いて固まってしまっている。
「俺は特に用事がないからじゃあな」
「いや、お主は一体何者っていない?」
「あれ、さっきの子は?」
アクアレッドと辺りを見回しているが先ほどの幼女はどこにもいなかった。
黒川さんが走ってこっちにくるが気にせず探すが結局見つからなかった。
「2人とも大丈夫でしたか!?」
「大丈夫だけどどうかしたの?」
黒川さんが走りながら聞いてくるので相当まずいことでもあったのかな?
「いえ、先ほどここら辺の魔力濃度が濃くなった気がしまして、それにここにいた少女も消えていますし何か危ないんじゃないかと」
「うーん、特に何も感じなかったけどなー。魔力濃度が濃くなったとしても体に外はないわけだし」
「特にないならよかったです」
黒川さんは安心したようにため息をつくと私の方を見てきた
「先ほどの子と何かあったのですか?」
「私のことを見捨てて人も呼ばずに立ち去った子だけど」
「そういえば貴方埋まってたんでしたね」
黒川さんは私のことを撫でながらあたりに魔力を放っている。
黒川さん改めて思うけど相当強い人なんですね。魔力の操作が私よりもできてますし。
「この階に異常はない。やっぱり機械で確認しとくか。
とりあえず、申請は終わってるようですしまた明日迎えに行くのでアクアレッドあとは任せていいですか?もう昼ぐらいですから一度家に戻った方がいいでしょう」
「もうそんな時間!?早く帰らないと!」
「えっ、ちょっとまっ!」
アクアレッドが私のことを引っ張る形で私は建物を出るのだった。(はっきり言って痛かった)
————•••————
2人が出口に向かったのを見届けたのち私はすぐに魔力濃度計がある場所に向かう。
部屋の前についたのでそのままノックせずに入室するが今いるのは後輩の三川だけなので気にする必要はない。
「あれ、先輩さっき出ていったばっかなのにもう戻ってきたんですか?」
「ちょっと確認したいことがあってね。魔力濃度計借りるから」
「わかりました〜」
モニターのついている魔力濃度計の前に座り、先ほどの時間に合わせるが魔力濃度に異常はなかった。それにモニターのカメラには私たちが映ってるだけで少女はどこにも映っていなかった。
「どう言うこと?」
「どうかしたんですか先輩?普段戦場でも焦らない先輩がらしくないですよ〜?」
「いや、私たちがあった子が映ってないのよ」
先ほどのことを三川に伝えながらカメラの映像を見せていると
「お師匠様みたいですね」
「あってたまるか」
つい、圧を出して返してしまった。お師匠様のことになったら圧出してしまうの本当に直さないといけないのに。
でも、お師匠様ならできるでしょうね。伊達に始まりの魔法少女なわけじゃないし。
「ですけど、お師匠様ならできますよね?まあ、生きていたらの話ですが」
「違うと思うけどね。身長も口調も違うから、有り得ても異世界人だと思うけど」
「そういえばその選択肢がありましたね〜。まあ、害があったら倒す、なかったら無視するでいいじゃないですか」
「それもそうね。敵になったらめんどくさそうな子だけど」
「Aランクの魔法少女が何言ってるんですか」
「魔法使いと言って。お願いだから」
その後も三川と少女について考察を続けるのだった。
【ちなみに黒川さんと三川さんの年齢は黒川さんが49、三川さんが47で最古参の魔法少女出会ったりします。(見た目は二十代。幼い頃に魔力を纏っている時間が長すぎた結果、成長に異常が起きた為)ちなみにゼロはお師匠様ではありません】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます