第6話見捨てられたもののその後

「ロゼ〜。帰ったぞ〜!」


コンビニで鉛筆を買い終えたのでゼロが帰るとロゼは家にいなかった。

ゼロはロゼがいるであろう家の隣にある教会に行くと予想通りロゼがそこで祈りを捧げていた。

じゃまをしない為に家に戻り買ったものをしまってコーヒーをいれているとロゼが戻ってきた。


「コーヒー飲むか?」

「苦いの苦手なの知ってるだろ。ココア残ってるか?」

「三段目に入ってるよ」

「了解」


ロゼがココアを入れにキッチンに行ってしまったので体に魔力を通し幼女形態(人の形をしっかりと取れている姿)になりコーヒーを飲む。


「それで何色買ったのだ?」

「赤、黒終わり」

「結局新しい強さを作んないとか。ゼロはどのくらいがいいと思う?」

「初心者に向けた下の上くらいの強さ。色で言うなら黄色と緑の間」

「ok〜。それじゃあ俺はそれの作成に取り掛かるから一週間は自由時間な。最高なことに悪の組織の穴が全部塞がったわけだし」

「それもそうか」


ゼロはコーヒーの苦さによって顔をしかめながら答える。特に話すことが今はないし、お互い教会にある棺を見ているのでそこまで気力があるわけではない。


「そういやロゼ。クロノワールのボスがおっこちてきてたぞ」

「………はっ?」


助かるのをめんどくさかったのでしなかったとはいえ、首のしたまでが埋まっていた女性は印象に残っていたのでロゼに話す。


「穴が塞がっているのを考える限り追放、もしくは自爆特攻のどっちかだが、追放だろうな」

「まあ、穴を塞ぐ理由ないからな。

とはいえ、どうする?初めてではないとはいえボスだからそれ相応の強さはあって危険だろ」

「ゼロがあっているのに破壊してない時点で害はないだろ。あったらお前が破壊してんだろ」

「まあ、害はないけどAぐらいの強さはあると思うぞ。とはいえ本人の魔力ありきだから体は弱いだろうけど」

「なら無視でいい。1人だけ破壊するのも違うしな」

「わかった」


2人はその後無言のまま飲み終わるとロゼは教会にゼロは自室に戻るのだった。


————•••————

「えっと、ここどこ?」


そういえば少女に手を引っ張られたから抵抗してたら腕折られて気絶したんだっけ。

一応、鍛えてはいるけど栄養がそこまで取れてないから骨が弱いのかな。


「私の家だけど」

「この散らかった場所が?」

「散らかってない!掃除してないだけ!」

「???散らかってない???」


辺りを見回してみると机の上は紙が乱雑に置かれており、床は服が散らかっていて歩く場所が少なすぎる。

こんな生活、女王であったときでさえできなかったのに。


「とりあえずこの上着とスカートと」


少女が床から適当な服を探しているとって、まず床から探すって何?

普通棚とかからじゃないの?

少女の行動を見ていること数分、腕が完治したので動かしていると


「この服きて!」

「えっ?私が着るの?」

「その服装じゃ街歩けないからね。お嬢さん異世界人でしょ?」

「そうだけど。異世界人てここだとどう言う扱いなのかしら?」

「そんなことより早く着て!とっとと役所に行かないとだから!」

「そっそう。とりあえず着ないとなのね」


私は渡された服をすぐに着ようとするが着方がわからない。

とりあえず適当に着かたがまちがっててもいいかと思ったので着ようとすると


「着方わからないの?これはこうやって」


思ったよりこの子の背が高い!私に密着してる形だから胸が頭に当たっていて後頭部が幸せすぎる!(ちなみに、ボス:142.2、少女162.4)


「はい、上は入れたけど下も着ないとか」

「ちょとまってく」

「とりあえず脱がすね」


少女が私の破れた服を完全に脱がすとそのまま着替えさせていくのだった。

ちなみに途中から意識はない。



私の意識が戻ったら私は何かに乗せられていた。少し振動がくるあたり移動しているのか?


「アクアレッド様。もうすぐ魔法省に到着します」

「ありがとね、黒川くろかわさん。急に呼び出したのに車出してもらっちゃって」

「いえいえ、マネージャーとして普通のことですよ。アクアレッド様は未成年ですし異世界人を連れ回すとなると危険も多いので」


隣を見ると赤を基調とした服をきている少女がいるが本当誰?

私が困惑していると隣のアクアレッド?が私を、抱きしめて


「大丈夫?急に気絶したからびっくりしちゃって」


大丈夫じゃないです。急にこんなことしないでください。ありがとうございます。


「とっ、ところでお主は誰じゃ!」


まずい、女王の時の口調が出てしまった。なんやかんや四年近くやってたからたまに出てしまうの最悪すぎる。


「ロリのノジャ。ありだね」

「すいませんがアクアレッドさま。未成年に手を出すのはまずいですよ」

「同性で私も未成年だからスキンシップで許されないかな」

「後でしばきましょうか?」

「やめてください。お願いします」


急に前の黒メガネ(サングラス)をかけた女性から圧が飛んできたので私も身構えてしまった。

この人相当強いな。


「まあ、今のうちにお嬢さんについて聞いておいた方がいいのでは?」

「そうだった!ねえ、君はどこからきたの?」


なんかあの幼女と同じ質問されているような。

そういえばあの幼女はよくわからんかったな、気配も朧げでそこにいるのかもわかりづらかったし。


「どこってクロノワール……」


そういえばここって私たちが侵略してた異世界だったような


「クロノワールか〜。あちゃー」


アクアレッドは額に手を当て何か考えこんでいるが


「とりあえず役職はなんでしたか?」


女性、確か黒川さんだったか?に聞かれる

嘘は言わない方がいいよね。まあ、女王も役職だし、間違ってないよね。


「じょお「名前は何!」」


言おうとしたらアクアレッドに邪魔をされた


「アクアレッド?」


すごく低い声が聞こえてくるが2人の質問に答えないと話がより拗れる気がする。


「名前はないですが、役職は女王でした?」

「まじか」


アクアレッドは驚いて何も言わず、黒川さんはそんな一言を漏らすのだった。

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