第二章

1話 物思い

第18話

あのストレスフルな日曜日からしばらくの間、私は軽い睡眠障害を起こしてしまった。




春休み中だったのが不幸中の幸いで、もしも新学期が始まっていたら、相当しんどかったと思う。




バイト先のファミレスでは、気合と根性で大きなミスは免れたけれど、大あくびを店長に咎められた事は時々あった。




春休みが明けて、通学とバイトを両立する生活が始まると、それに伴うように、睡眠の質も睡眠を取る時間も、ある程度改善した。




そして、4月も下旬に差し掛かった今では、多少寝不足になる事もあるけれど、睡眠のリズムが崩れるという事は殆ど無くなっている。




もしもその間、1度でも香坂朋紀本人や、彼の学校から連絡が入っていたなら、改善しつつあった睡眠障害を再び悪化させていたかもしれない。




けれど実際は、そんな事は起こらなかった。






学校からの連絡に関しては、それはもう、私はただの緊急連絡先なのだから、緊急な事がなければ電話がかかってくる事も無いわけで‥‥‥。




かかってこなくて、大いに結構。




私的には、喜ばしいことなのだけれど‥‥‥。




香坂朋紀からの連絡が全く無いってのは‥‥‥どうよ?




といっても、決して、彼からの連絡を待ちわびていたワケではないのだけれど。



でも‥‥‥。




あんな風に馴れ馴れしくしていたクセに、って、思うトコロもあって。




あの、いかにも『これから執拗につき纏ってやる』といわんばかりの彼の言動は何だったのだろう?とか。



少なくとも、その所為で、こっちは、軽度の睡眠障害まで起こしていたのだし。

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