第19話

それとも、そう考える私は、ひねくれているのだろうか‥‥‥。




連絡こなくて超ラッキー♪と喜んで終わる話だと言われれば、本当にそれまでだし。





実際『つき纏ってやる』って言われたわけではないのに、つき纏われるに違いないと認識して、必要以上に気負い過ぎてただけで。




つまり、私は、自意識過剰で、被害妄想が強くて、悲観的で‥‥‥その所為で睡眠障害にまでなっちゃって‥‥‥って、なんか、もう、それじゃ、ただのバカとしか‥‥‥。






勿論、分かっている‥‥‥。




二度と現れないでって言っておきながら、拍子抜けしたような気持ちになるなんて、矛盾しているって。




だけど、分かっていながら、尚、矛盾を抱えていなければならない事には、それなりに理由があったりする。




朋紀が連絡をしてこないのは、私のあの言動が、彼を傷つけてしまったからなのではないか、って。




そう、思うと、連絡がこない事を手放しで喜べないわけで‥‥‥。




それどころか、不安にすらなってしまう。




思い返すほどに、あの日の私が最低な人間に思えて、仕方がない。




初対面の年下のコに向かって、ああいう態度はなかったよな、とか‥‥‥あの後、何度も反省した。




いくら憎憎しいヤツだったからとはいえ、大人げなくムキになってしまった自分に、自己嫌悪を抱かずにいられなくて‥‥‥。




朋紀が傲慢で不遜に見えたのも、本当は強がっていただけだとしたら‥‥‥そんな彼を、あからさまに拒絶していた私は、酷い人間だ。




人にダメージを与える発言を躊躇わなかったという罪悪感。




それが、私に矛盾を抱えさせているのだと思う。

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