第32話

『…お父さんの時の癖で…、ごめんなさい、』



『そんな真っ赤にすんなら、気使えよ。』




馬鹿、そう言って頭をコツンって。


…全然怒れてないけど、大丈夫なの?






『李ちゃん、どこで寝る?』


「どこ…?」



『俺の部屋か、ここ。』



ここ。とはリビングのことで。


だったら彼女は?


私の感情を読み取った菅野 類が、『こいつは来客用。』の部屋があるらしい。





「ここで大丈夫。」


『腰痛いよ。明日立てないと思います。』



「…なにが言いたいの?」












『俺の部屋、おいで。』

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