第27話

『…お知り合い?』



近くで見れば、驚いた。


男と比べるのは違うって分かってるけど、菅野 類と並ぶくらい、綺麗な顔。




『うん。彼女は会社の後輩。


彼は、彼女のお友達。』



「柳原 李と申します。」





『………、あぁ…!


私 澄田の妻で、澄田 かおりです。』




少し間ができて、気まずかったのか、


『ごめんなさい、私邪魔ですよね?…先に戻ってるから、ゆっくり話して。』



と、彼女は言った。




普通の上司と後輩であれば、話すことは仕事のことだけだと、限られているのに。







朝日さんはそれにも今は、気付けていないのか、『すぐ戻るから。』って私達の前で彼女の頭を撫でて見せた。






『じゃ、俺らも行くんで。』




『李…っ』




朝日さんが呼んでいる中、私は菅野 類に手を引かれるだけ。








追いつかない思考で、ずっと頭の中に今でも残っているのは最後に彼が急ぎで言った…








明日あす22:00、李の家で会おう。』






この言葉、ではなく、







明日あしたの夜、

あの人じゃなくて俺に時間を使ってよ。』






…菅野 類の一言。

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